長城の髑髏
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は無気味で嫌らしい女の声で言った。
「その声はっ!」
ドクロ少佐はその声の主を知っていた。戦闘員の身体を白い煙が包んだ。
「イーーーーッヒッヒッヒッヒッヒッヒ」
その戦闘員の正体はヘビ女であった。彼女は本来の姿に戻ると気色の悪い笑い声を出した。
「・・・・・・やはり貴様か。一体何のつもりだ」
ドクロ少佐は彼女を睨み付けて問うた。
「何、あんたにちょっといい話があってねえ」
彼女はその口を耳まで裂けさせたまま言った。
「いい話!?」
少佐は訝しげに問うた。
「そうだよ。あんたは今一人でいるねえ」
「・・・・・・それはこの張家口でのことか。それとも組織でのことか」
彼は問うた。
「両方だよ。それだとあんたも何かと不便だろう」
ヘビ女はそう言うとニヤリ、と笑った。
「どうだい、あたし達と手を組むつもりはないかい?」
彼女は笑みを浮かべたままドクロ少佐ににじり寄る様に顔を近付けた。
「つまりシャドウと手を組め、ということか」
「そうだよ、あんたもタイタンやマシーン大元帥を快く思ってはいないだろう。それに一人じゃ何かとやりにくいだろうし。どうだい、悪い話じゃないだろう?」
彼女はまるで蛇の穴に誘い込む様な顔で彼の耳元で囁いた。
「・・・・・・・・・」
ドクロ少佐はそれを黙って聞いていた。
「さあどうだい?これからは仲良くやっていこうじゃないか」
「・・・・・・確かに悪くはないな」
ドクロ少佐はようやくその重い口を開いた。
「そうだろう、流石に切れるねえ」
「だが一つ聞きたいことがある」
少佐はヘビ女に顔を向けて言った。
「それはシャドウからの話なのか?」
そう言うとヘビ女の目を見た。まるでその心を探る様に。
「何でそんなことを聞くんだい!?」
だがヘビ女も流石である。その真意を決して見せようとはしない。
「俺を誰だと思っている、DDD団のボスだぞ。そうそう易々と動くと思ったか」
「それは一体そういう意味だい?」
彼女は顔を少し離して問うた。
「シャドウに伝えておけ。話があるなら直接来いとな。俺はあの男が頭を下げぬ限り手を組むつもりは無い」
「ほお言ってくれるねえ。シャドウ様に頭を下げろっていうのかい」
ヘビ女は怒気を込めた声で言った。
「そうだ、俺は別に一人でも一向に構わんからな」
彼はヘビ女を睨み返して言った。
「偉いねえ、そこまで強気だと逆にこっちが惚れ惚れしちまうよ」
彼女は皮肉をふんだんに込めて言った。
「言うな。俺は今までも一人でやってきた。そしてこれからも変わりはないということだ」
彼はそう言うと彼女から離れた。
「協力を申し出るというのなら断るつもりはない。だが俺はシャドウの軍門に降るつもりも手を組むつもりもないということだ。た
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