長城の髑髏
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く思わんぞ」
「心配するな。俺もそれだけはせん」
タイタンはシャドウをその無数の眼で見ながら言った。
「俺はあの男も貴様も嫌いだ。貴様とはいずれ決着を着けてやる」
「望むところだ。だが今は止めておこう」
「そうだ。貴様との決着はストロンガーとの戦いの後だ」
タイタンは急に態度を引き締めて言った。
「そしてその為に今あの男と結託しているのか」
シャドウはタイタンを見上げて言った。
「さてな」
だが彼はそこでとぼけてみせた。
「だがこれだけは覚えておけ。シャドウ、ストロンガーを倒すのは俺だ。そしてその後で貴様との決着を着ける」
「面白い。だがストロンガーは俺も狙っているということを忘れるな」
シャドウは不敵に笑って言った。
「当然だ。これも勝負のうちだ」
「フ、面白い。ではどちらが先に奴を倒すか賭けるか」
「その必要はない。勝つのは俺だからな」
「ならば貴様の戦いをよく見せてもらおうか」
「フン、いずれな」
タイタンはそう言うとその場から消え去った。火の球となりその場から消えた。
「行ったか」
シャドウはそれを席に座し頬杖をついたまま見送った。後ろに影が現われた。
「シャドウ様、よろしいのですか」
その影はヘビ女であった。
「何なら私があの男を始末しますが」
彼女はタイタンの消えた方を嫌悪の眼差しで見ながら言った。
「よい、あの男は俺が相手をする」
シャドウは彼女を制止するように言った。
「奴のことは俺が最もよく知っている。それに奴も俺が行かなくては相手にはしないだろう」
「そうなのですか」
「そうだ。奴はああ見えてもプライドが高い。そして手強いぞ」
「そうは思えませんが」
「それもおいおいわかる。下手に動いてはこちらが危険だ」
シャドウはそこではじめてヘビ女の方に顔を向けた。
「それよりも貴様にはこれからも情報収集を頼むぞ。俺には貴様の力が必要なのだ」
「シャドウ様の頼みとあれば」
ヘビ女はそれを聞きニンマリと笑った。その無気味な哄笑が部屋に木霊した。
長城の髑髏 完
2004・4・7
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