第十四話 伊勢巡りその一
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伊勢巡りへ
「さあさあ皆!」
「今度はこの人か」
皆今度はマスター=エレハンの修業を受けていた。とはいっても山巡りである。
「遊びの中に修業ありだよ」
「そう言って山の中を散歩していますけれど」
「これが修業なんですか」
「そうだよ、修業だよ」
まさにその通りだと後ろにいる一同にも話す。
「こうしてただの散歩だと思うよね」
「ええ、確かに」
「それ以外にはちょっと」
「けれどこれが違うんだ」
エレハンはこう皆に話した。
「これがね」
「どう違うんだろう」
「ただの散歩なのにね」
「ねえ」
皆その言葉を聞いてもいぶかしむばかりだった。
「実際に歩き回ってるだけだし」
「周りも見回して」
「ねえ」
「いやいや、こうして見回して」
まずはそこから話したエレハンだった。
「そうして色々なものを見るね」
「ええ、確かに」
「それは」
「動体視力を養い」
それがあるというのだ。
「そしてだよ」
「そして?」
「他にも」
「そうだよ。そのうえ色々なものがあるということがわかって注意力も身に付くからね」
次に話したのはそれだった。
「そして歩くことは体力をつけるじゃない」
「あっ、それは確かに」
「その通りです」
皆もそれに頷く。
「それに足腰も鍛える」
「身体も」
「そうだよ。心もリラックスするしね」
ありとあらゆる事情があるのだった。
「そういうことなんだ」
「成程、そうだったんですか」
「そうした色々な理由があってですか」
皆それを聞いて頷いてだった。散歩の修業を続けた。そうしてかなり歩いた。実際にはシャーフーのランニングよりも距離は長かった。
「ふう、結構歩いたな」
「そうよね」
「かなりだったよね」
皆歩き終わってからかなり疲れた言葉を出した。
「ランニングよりも疲れてない?」
「ええ、確かに」
「もう何か」
「いや。待て」
しかしであった。まだあるのだった。
「それだけじゃない」
「それだけじゃないって」
「どうしたのよ」
皆丈瑠の言葉に問うた。
「まだあるの」
「それは一体」
茉莉花と翼が代表する形で問うた。するとだった。
「精神的にどうだ」
「いい汗かいたわ」
「かなりリラックスしたな」
「そうだ、それだ」
こう二人に話した丈瑠だった。
「その通りだ。遊びの中にということだな」
「そうそう。修業は厳しくやるだけじゃないんだよ」
エレハンは腕を組みうんうんと首を縦に動かしながら述べた。
「そういうことなんだ」
「散歩もまた修業」
「精神をリラックスさせる」
「そう、余裕を作る」
エレハンはこうも言った。
「これでわかっ
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