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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
白夜の魔神
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一号の技である。改造と特訓が彼に一号に匹敵する技を与えていたのだ。
 参謀は地面に叩き付けられた。激しい衝撃が地面に走る。
「グハアアアアア・・・・・・」
 彼は呻き声をあげた。身体の各部分から煙が生じる。
「やりおるな。これ程の衝撃を受けてはさしもの俺も持ち堪える事は出来ん」
 彼は起き上がりながら言った。
「これは本来一号の技だった。だが俺はこの技を再改造と特訓で身に着けたのだ」
 二号は彼に対して言った。
「フフフ、そうか。道理で前のきりもみシュートよりも威力があった筈だ」
 鋼鉄参謀は不敵に笑って言った。
「二号ライダーよ、俺の負けだ。見事な技だった」
「そうか」
 二号はその言葉をそのまま受け止めた。
「この俺を倒したことは褒めてやる。貴様は見事な戦士だ」
「有り難う。貴様も見事だった」
 二号は言葉を返した。
「見事か。フフフ、最高の褒め言葉だな」
 鋼鉄参謀はそれを聞いて言った。
「これで心おきなく死ねる。力を出し尽くしたしな」
 煙がさらに噴き出した。彼はもう限界に達していた。
「さらばだ。ライダーよ。今度会う時は地獄だ」
 そう言うと倒れた。そして大爆発が起こった。
「終わりましたね」
 それを見届けた役は二号の側に駆け寄って来た。そして彼に対して言った。
「ああ。敵ながら見事だった」
 二号はその爆発が消えていくのを見ながら言った。そして戦いは終わった。

「そうか、死んだか」
 メガール将軍は鋼鉄参謀の戦死の報を自身の基地の中で聞いていた。
「ハッ、立派な最後であったそうです」
 報告に来た戦闘員の一人が言った。
「そうか、なら良い。あの男も本望であろう」
 彼はそれを聞いて呟いた。
「最後の最後まで真っ向から戦いそして死んだのだからな」
 そして彼のことに思いを馳せた。
「私もいずれはあの男と雌雄を決せねばならん。あの男の心がわかるような気がする」
「・・・・・・ですか」 
 戦闘員はそれを聞いて答えた。
「うむ、私とてドグマで兵を預かっていた男だ、それに・・・・・・」
 彼はそこで言葉を止めた。
「私もまたあの男に勝たねばならんのだ」
 そう言うと話すのを止めた。
「左様ですか」
 戦闘員はそれ以上聞こうとしなかった。そして将軍はその部屋を後にした。


白夜の魔神   完



                                          2004・3・31


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