GGO編
百三話 誘いの乱入者
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……なら、再戦はその後にしよ?」
「……は?」
リョウが再び首をかしげる。と、アイリはどういう訳か二コリと笑う。
「それがずっとあったのか、それとも今出来たのかは分からないけど……さっきのリョウの顔見たら、嫌でも今のリョウに何か事情が有るってわかるよ……ねぇ、それを抱えてても、今のリョウは私と必死になって戦ってくれる?」
「いや、それは……」
正直、無理だと思えた。あれだけの殺気を持つ、ラフコフの人間がもし死銃本人なのだとしたら、間違いなく、何らかの方法で他のプレイヤーを殺す事にも納得が出来てしまう。
だとしたら……自分はそれをどうしても考えてしまうだろう。そうなると、アイリの事だけに集中すると言うのは、無理だと思う。
「なら、私は先に、リョウの抱えてるその事情を何とかしてほしい……出来ないかな?」
「……いや、なんとかなるかもしれん」
ようは、原因を取り除く……つまり、死銃を倒してしまえばいいのだ。それならば、アイリを倒す前に死銃を倒せばいいだけの話。それなら……
「分かった!んじゃさっさと片付けて来るから、それまで生き残って「違うよ」あ?」
リョウが言おうとした言葉を、アイリが遮る。その顔は相変わらず笑顔だ。
「私も手伝います」
「……あぁ!?」
「だって私とリョウが戦うためだもん、それに、良い所で水さされちゃって、私だって黙ってられないのです」
「ないのですって……」
リョウは唖然としつつアイリを見るが、対してアイリはあくまで笑顔だ。
「とにかく!私に何か出来る事無いかな!?」
「いや、無いかなってお前……」
そこで、リョウはふと考える。確かに、頭数が増えれば奴の事も倒しやすくはなるかもしれない。もしリョウの予想通りなら、相手はかなり手練れと見た方が良い。アイリは少しバトルスタイルは変わっている物の、かなり強い。戦力にはなる筈。だが……
『せめて、な……』
しかし、これは人死にが関わっている事件である。簡単に彼女を巻き込む訳にもいかない。
『あー』
と、リョウはそこで思い付いた。ならばこの場で、アイリに事情を話して見るのも一手かもしれない。もしそれでアイリがビビるなりあるいは妙な事を言う自分に興味を無くしてくれたなら、こちらとしてはめっけもの。ふざけるなとぶち切れられてしまったら、それはもう戦うしかない。
「じゃあとりあえず、事情を話すぞ……」
そうして、リョウは話し始めた。今回の、死銃事件について、今彼が知っている事を……
────
「って訳だ」
「…………」
リョウがあっけらかんとした様子で話すと、アイリは思案顔のまま黙り込んでしまった。
そうして数秒間その表情を続け、リョウに問う。
「それ、本当?」
「(ま、そうなるわな)勿論」
これで多
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