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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
壊れゆく世界◆ユイ――MHCP001
第三十六話 サーシャ
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しました。私が新しくシンカー派に入ったばかりの彼らの実力を把握していなかったばかりに余計な手間を取らせてしまいました」
「いいや、気にしなくていいですよ。それより早くシンカーさんを助けに行ってあげてください」
「ありがとうございます! 失礼します!」

 ユリエールとコーバッツ部隊――いや、元部隊か――は敬礼をひとつすると、駆け足で出て行こうとした。その背に、シリカが呼びかけた。
「コーバッツさん」
「なんだね?」
「コーバッツさん、今、すごく輝いてますよ。誰かを助けようと一生懸命です。素敵ですよ」
「ふっ、私もようやく目が覚めたというわけだ。それも貴女のおかげ。礼を言うぞ、娘よ」
「娘じゃなくてシリカですよ、わたしの名前」
「そうか、覚えておこう。ではシリカ、また機会があったら会おう。さらばだ!」

 ……コーバッツが去ってから、シリカに「素敵ですよ」などと言われたことのないマルバがいじけたのは言うまでもない。シリカが慌てて「マルバさんも十分素敵ですよ」とフォローしたらすぐに気をとり直したが。



 《リトルエネミーズ》とキリトたちはサーシャや子どもたちと一緒にお茶を飲んで過ごした。次の攻略が一ヶ月後と決まったため、結構時間が余っているのだ。レベルも全員攻略組の平均を十分上回り、ミズキに至っては90レベルを上回っている。防御ボーナスと攻撃ボーナスの両方を得られるミズキは他のプレイヤーより経験値を得やすいからだろう。
 マルバとアイリアは子どもたちと談笑し、キリトとアスナ、シリカはサーシャと話をしている。そしてミズキは何故かユイに懐かれたらしく、戸惑いながらも一緒に遊んでやっていた。

 昼食を頂いて、そろそろ帰ることにした《リトルエネミーズ》一行は、サーシャに礼を言った。
「ありがとうございました、お昼までごちそうになってしまってすみません」
「いえいえ、大丈夫ですよ。私もマルバさんやあなたから料理を教えてもらえて楽しかったですし。作れる料理が増えると子どもたちも喜びます」
「そうですか、それはよかったです。……あの、失礼ですが、お金って大丈夫なんですか?」
「ああ、必要なコルはちょっと大きな子どもたちが第一層の安全な場所の狩りで稼いできてくれてますから。転移結晶も持たせてますし、なんとかなっていますよ。この街では一日100コルもあれば全員食べて行けますから」
「あの……もしよろしければ、今日のお礼も兼ねていくらか寄付させていただいても……?」
 アスナの申し出を、サーシャは申し訳なさそうに断った。
「お言葉はありがたいのですが……私達はこの街で、自分の力だけで生きて行きたいと考えています。寄付はお断りいたします」
「そうですか……」
 アスナは少し落ち込んで答えたが、マルバが寄付の代わりを申し出た
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