第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第11話 男女七歳にして
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う〜む。これは仕方がないかな。本来なら、こんな事は言いたくはないのですが……。
「あのなぁ、タバサ。俺がもし、寝ているアンタを襲ったらどうする心算なんや?」
もっとも、そんな事を俺がするはずはないのですが。しかし、脅しの言葉としてならば使える言葉だとも思います。
そもそも、たった半日程度の付き合いで、その人間の本性が理解出来る訳は有りません。
しかし、
「襲いたいなら襲えば良い」
しかし、タバサはそれまでと変わらない口調でそう答える。
俺の事をそう簡単に信頼など出来るはずはないか。……って言うか、こんなに簡単に他人の事を信用出来るのでは、問題が有り過ぎるでしょう。
世の中、善良な人ばかりじゃないですよ。
ならば、自分の魔法の能力に絶対の自信が有ると言う事なのか。
しかし、もしも、タバサがそう思っているのなら、それに対応した交渉材料を俺は持っています。
「ひとつ言って置くけど、さっきのレンのクモとの戦闘中にタバサ達の魔法は使用不能となったはずや。
その原因は、俺が場に存在する全ての精霊を支配したから。
つまり、タバサの魔法を、俺が精霊を完全に支配する空間内では、俺に敵対的な行動を取る事は出来なくする事も可能なんやで」
但し、今では精霊を支配する能力をタバサも持っていますから、魔法の発動自体は可能と成っているとは思います。確かに、俺の方がより多くの精霊を支配出来るのは間違いないのですが、流石に、場に存在する精霊たちを完全に支配し切る事は難しいと思いますから。
もっとも、それでも、未だタバサはその事実に関しては知らないはずです。それに、交渉事には、多少のハッタリも必要ですから。
「違う」
しかし、矢張り簡潔に否定の言葉を口にするタバサ。
成るほど。だとすると、俺が彼女を襲う事など有り得ない事だと思っているのか。
確かに、そんなに間違った人間に対する観察眼で無い事は事実なのですが……。しかし、魔が差す可能性だって有りますよ。俺だって、木石で出来た存在ではない。まして聖人君子でも有りませんから。
そう考えながら、タバサを見つめ、次の交渉材料を探す俺。
しかし、そんな俺の甘い考えは直後のタバサ自身の言葉で粉砕されて仕舞った。
「貴方を異世界から召喚したのはわたし。異世界での貴方の未来を奪い去ったのはわたし。その責はわたしが負わなければならない」
………………。
それで、その責任を感じて、もし俺が暴挙に及んだとしても、それ受け入れる覚悟が有ると言う事ですか。
……って言うか、覚悟の決め方が極端なんですけど。そもそも、そんな責任の取り方を望んでいる訳はないですから。
ある意味、漢の浪漫かも知れないけど、俺の性には合
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