第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第11話 男女七歳にして
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問題も当然有るはずです。
それに、それならば、タバサを相手に直接交渉するだけ。大して問題は有りません。
「えっと、タバサさん。それは、多分、問題が有ると思うのですが。
俺の世界には、男女七歳にして席同じゅうせず、と言う言葉が有りますから……」
もっとも、俺が住んでいた世界でも、儒教的な倫理観など最早過去の遺物の可能性も有りますか。
まして、ここは異世界。更に、俺の扱いは男性ではなく使い魔。
これでは、もしかすると、聞き入れられないかも知れないのですが。
「使い魔と主人は、使い魔の方が大き過ぎない限り共に暮らす決まりが有る」
案の定、タバサの答えは非常に簡潔な否定でしか無かった。
矢張り、この世界のルールですか。しかし、それは人間型の使い魔に関しては除外されるのではないでしょうか。
「人型の使い魔に関しても同じルールが適応されるのか?
確か、コルベール先生の発言では、人間の使い魔が召喚されるのは前代未聞だったはず。
ならば、人型で、それが更に男女に分かれる性別ならば、それに対応する決まりが有ったとしても不思議ではないと思うんやけど」
そう言ってはみる俺なのですが、これはどう考えても分が悪い交渉だとは思います。
そもそも論として、俺が彼女の使い魔で、主人であるタバサの身を守る事が俺の仕事なのは間違い有りません。それが最初の約束ですから。
そして、俺の能力では、自身が眠っている最中に何処か別の部屋に寝ているタバサの身に迫る危険を察知して、確実にその危険を排除出来る能力は有りません。普通に考えるならば、自らの式神達に依頼して、俺が眠っている間は、タバサのガードを代わりにやって貰うべきなのですが……。
但し、その場合は、間違いなく、タバサと俺が同じ部屋に居る事を条件とされます。
その方が双方を護り易いし、俺の反応が面白そうですから。俺の契約を交わしている式神達は、当然、タバサではなく、俺の身の安全の方を第一に考えます。
ならば……双方を護る、と言う事を考えるならば、同じ場所……少なくとも、同じ部屋で眠る事を条件として上げて来るはずです。
「ルールを曲げる訳には行かない」
俺を真っ直ぐに見つめた後、酷く簡潔にタバサがそう答えた。
そして、その答えも簡潔にして明瞭。いともあっさりと、ルールだからと言う理由で却下されて仕舞いました。
確かにタバサは式神契約&先住魔法と言う、この国の禁忌を犯している状態でも有ります。ですから、それ以外の点で妙なツッコミを入れられるのは避けるべき、と言う彼女の考えも理解は出来ますね。
しかし……。流石に、同年代の女の子と同じ部屋で暮らすと言うのは、俺の小市民的倫理観が否と答えを出しているのですが……。
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