第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第11話 男女七歳にして
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「貴方は、魔法学院の女子寮。わたしの部屋で暮らして行く事になる。
最初に、貴方の式神にそう伝えてあるはず」
タバサはそうあっさりと答えた。
別に気負う訳でも無く、それまでと同じような淡々とした口調、及び雰囲気で。
もっとも、俺自身はそんな事は一言も聞いていなかったのですが。
俺は、最初にタバサとの交渉すべてを担当した魔将アガレスを、少し強い視線で見つめる。
そして、
「俺はそんな話は一切、聞いていないんやけど、アガレスさん。これはどう言う事か説明して頂けますでしょうかね」
……と、俺的には、かなり強い口調でそう聞いた。もっとも、俺の事をシノブくん扱いの彼女に対して、少々強い口調で聞いたトコロで大して効果が有る、と言う訳ではないのですが。
まして、これは召喚士としての実力と言うよりも、人間としての格が違い過ぎて話に成りません、と言うレベルの御話ですから。それに、アガレス相手では見た目の年齢差から来る深みも違い過ぎますしね。
そもそも、相手は魔界の公爵様ですからね。俺の使い魔の中でも飛び切りの能力を持っている式神です。
ハルファスとのツートップはかなり強力です。故に、この二柱からは、完全に子供扱いなのですが。
「おや、私は伝えて有ったはずだと思うのだが」
予想通り涼しい顔でそう答えるアガレス。そう言えば、アガレスは最初から現状を面白がっていましたし、これは俺の生命に関わる大事でもない。
こう言う対応になっても不思議ではないですか。
そして、俺の返事を待たずに、アガレスは更に続ける。
「シノブくんの仕事を、私は一般的な使い魔の仕事だと言って、シノブくんも納得したのでは無かったかな。
確か、シノブくんは、主人と別々の場所に居て尚、その主人を護る事が出来るほどの能力は有してはいなかったと思うのだが」
そう言えば確かに、そんな事を言っていましたね。
それに、俺はそんな超絶の能力は有していないのもまた事実です。
もっとも、四六時中俺が付きっきりでガードが出来る訳もないのですから、手の届かないトコロは俺の式神達に埋めて貰う心算だったのですが……。
ですが、現状ではその仕事を式神達に依頼しようとも拒絶される可能性が高いみたいです。
何故なら、俺にさせた方が面白そうですから。
俺は、自らの式神達に対して、反論を許さないような絶対の支配を行っている訳では有りません。飽くまでも個人同士の友誼関係の延長線上に有る式神契約を交わしています。式神達の自由意思を尊重する以上、これは仕方がない事なのかも知れませんしね。
しかし、それとこれとは話が違うでしょう。そもそも、俺が男で、タバサは女の子なのですから、外聞的な問題も有ります。更に、倫理的な
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