開戦
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「本日来て貰ったのはこれについてだ。」
河嶋先輩は大狩流の紋章を見せた。
あまり知られていない戦車に鎌が刺さった紋章は誰も見たことがない。
「先輩方、このファイルは閲覧禁止指定なのではないですか?」
「これは修善寺女子高から送られてきたものなのよ。」
「修善寺から?」
修善寺には大狩流の分家事態は存在しないからおかしいと感じた。
そこで思い付いたのは駿河流の斉藤もなか。
彼女なら調べる事が得意であるのだから、ハッキングもお手のものだろう。
「会長。今ここで士気を下げるのは得策ではありません。ですのでこの件は今回の練習試合が終わってからにしてもらえないですか?」
「別にいいよー。」
「ありがとうございます。」
私はみんなの方を向き直して、
「練習試合が終わった後に生徒会室に集合してください。お願いします。」
みんなに頭を下げてお願いした。
下校中に、
「梨華、やっぱりあのファイルはあれなの?」
さやねとはやが私の方を向いて聞いてきた。
分家だから知っていても当然だが聞かれたくはなかった。
「昔の大会の映像だと思うよ。それも流儀違反の。」
「大狩流でもそう言うことはやっぱりあるのですね。」
亜依が私にそう告げた。
大狩流の事をしっかりと知っている訳ではないけど去年一年間で少しは驚いたいた。
「流儀違反で本家を追放されたのですけどね。」
「そんな大罪を。それで今はどこにいるのですか?」
真央さんがどこにいるかは大狩流のなかでも極秘扱いになっているため梨華は知らなかった。
「ルール女子高の戦車道顧問として活躍しているわよ。」
後から聞きなれた声が聞こえた。
振り返ってみると其処にはみほのお姉ちゃんであるまほさんがいた。
「どうしてまほさんがここにいるのですか?」
最初に声をだしたのははやだった。
「用があったからよ。梨華にね。」
「私に?」
西住流の正当後継者であるまほさんが何のようであるかわからなかった。
それに西住流の関係校は出場禁止だから今大会には何も出来ない筈。
「担当直入に言う。みほを返して欲しい。」
「何故ですか?みほは今、西住流とは異なる戦い方の筈。それなら今更返して欲しいと言うのはおかしくないですか?」
「みほには才能がある。私はそれを知っている。みほは確かに西住流の戦い方ではないが応用力は人一倍持っている。その力で来年、黒森峰を優勝させたい。」
「みほの意志はどうなんですか?私に聞くよりもみほに聞くのが普通ではないのですか?」
こんなのは私が返答していいものではない。
私はそう思った。
それに私が[良い]と返事をしてもみほは帰らないかもしれない。逆に[駄目]と言っても帰るかもしれない。
だからこそこの返答には意味がない。
「そうだな。梨華の言う通りだな。」
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