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リリカルってなんですか?
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第五話
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 幸いにして転んだのは、コートラインの近くだったため、すぐに彼女には近づけた。

 彼女の様子が気になるが、早いところ外に出て行かないと。

 怖いのは、また転んだ時のようなことが起きることだ。今は、両者が投げ合ってるからいいものの。

 今度は、かがんでいる分、踏み潰されるに近い形になってしまう。そうなると大惨事に繋がるかも。

 早く起き上がってもらえばいいのだが、まだ彼女は、かがんだままだ。

 ―――仕方ないか。

 僕は「ごめん」と告げると、かがんでいる彼女の膝の下に手を通して一気に持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこというやつだが、気にしている暇はない。それよりも、この場にそのままいるほうが怖いのだから。

 彼女は「え、えぇぇぇ?」とか言って驚いていたが、気にしない。背に腹は代えられないのだ。

 しかしながら、僕からしてみれば恥ずかしいという感情はなかった。それよりも優先されたのは、重いという感想。

 女性に対しては失礼だとは思っている。だが、小学一年生である。いくら男とはいえ、この頃の体格はほとんどみんな変わらない。これを重いと思わないわけがないのだ。

 もうダメだ、と思うまで三十秒も経たなかったのではないだろうか。だが、何とか意地でコートの外までは運んだ。

 僕の腕の中で呆然としている彼女を地面に降ろして、手を振る。腕が痺れたように震えていた。

 一方、彼女が抜けたドッジボールだが、彼女が抜けたことも気づかず白熱した戦いが続いていた。

 はぁ、小学生なら仕方ないか、と思いながら、僕は彼女の身体を調べる。

 どうやら、右手は砂で汚れているが無事。左肘と両膝をすりむいたのか、血が流れていた。

「血が出てるね。ちょっと、先生に言ってくるから待っててくれる? 高町さん」

 ドッジボールの途中で怪我をしてしまった女の子―――高町さんは呆然とした顔で僕を見ていたが、コクンと頷いてくれた。



 ◇  ◇  ◇



「はい、ちょっと足を出してもらえる」

 高町さんは、僕の指示に従って足を伸ばしてくれる。その膝の皿の部分がすりむけており、若干出血していた。

 そこに僕は躊躇なく保健室の外に設置してある水道から伸びているホースを使って水を出した。

「―――っ!」

 おそらく、水が当たったときにしみたのだろう。顔をしかめるが、傷を水で洗い流さないほうが怖いので止めることはなかった。

 結局、あの後、先生に高町さんの怪我を伝えたところ、一応、先生が高町さんの怪我を見に来たが、擦り傷だけなこと、本人が大丈夫だ、ということを理由に先生が保健室に連れて行くことはなかった。

 しかし、怪我は怪我だ。保健室に行くよう、にいわれ、保健委
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