本編前
第一話
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かの間、今度は別の問題が出てきた。
ゲームと同じ登場人物。そして、今気づいたが、ゲームと同じ街『海鳴市』。偶然というには出来すぎている現実。不意にたどり着きたくない結論。だが、どうしてもたどり着いてしまう結論。
つまり―――この世界は『とらいあんぐるハート3』の世界なのか?
◇ ◇ ◇
あの後の授業というか学校の説明がまったく身に入らなかった。放課後、同じクラスになった友人に声をかけられるまで放課後になったことに気づかなかったほどだ。その割りに帰りの挨拶をきちんとしていたり、帰る準備をしていたり、無意識のうちに行動はしていたみたいだが。
結局、この世界と『とらいあんぐるハート3』のゲームの世界が一緒かどうかについては結論が出なかった。当たり前だ。僕が持っている情報があまりに少なすぎる。こちらが手に入れたカードは『アリサ・バニングス』、『高町なのは』、『海鳴市』だけ。後、僕が覚えている限りのゲーム内の情報としては『世界の歌姫』、『お菓子屋さん』、『高町恭也』、『巫女さん』、『吸血鬼』、『人形メイド』、『剣術』、『空手』、『男の子みたいな女の子』、『関西弁』、『狐』ぐらいである。
正確な名前が出てこないは、はっきりとした記憶がないからだ。おそらく、アリサ・バニングスのように姿をみたり、高町なのはのように聞き覚えがあるような言葉が耳に入れば連鎖的に思い出せると思うが、今はキーワードのみだ。
何にせよ、あの物語の舞台は、ここ『海鳴市』だ。もしこの世界があのゲームの世界と酷似しているならば、少し調べればすぐに分かるだろう。
そう結論付けて、僕は放課後と気づかせてくれた友人とともに帰宅した。
◇ ◇ ◇
―――結論から言えば、この世界は限りなく黒に近いグレーだった。
友人に手を振り、帰宅した後、父親からパソコンを借り、僕が思い出したゲーム内の情報に照らし合わせて少し調べた結果、僕が思い出している情報に合致した結果が出てきてしまった。
世界の歌姫―――フィアッセ・クリステラ。
お菓子屋さん―――翠屋。
高町恭也―――高町桃子というパティシエがいたことからいると判断。
巫女さん―――八束神社。
流石に『吸血鬼』や『人形メイド』のようなオカルト性が強い情報は正確なものが出てこなかった。インターネットというものなら尚のことである。
二つ目までは偶然という可能性があるが、三つ目以降は必然といえる。つまり、この世界は限りなくとらいあんぐるハート3の世界にかなり酷似しているということが結論付けられる。おそらく、残りのキーワードもこの街について調べれば分かっていくことが多いだろう。
しかしながら、この事実が分かったところで
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