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ゲームの世界に入った俺は伝説のサムライになりました。
1話 鬼眼のキョウ
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は見えないよな……」

「うん。とてもじゃないけど、一人でモンスターを倒せるとは思えないよ」

「イシュラの方が強そうだ!」

隠れていた男子たちは誤解とわかったのか、俺に近づいて観察し各々の感想を口に
出す。
オイコラ、坊主共。
一応これでも、124LVのサムライなんだぞ?
と言ってやりたいが、確かに俺が優男で強そうに見えないのは事実だし、
いくら高LVでも、ステータスを見ない限り
この少年達にはLV5の村人Aぐらいにしか見えないのだろう。
悪気はないんだ。ここは一つ大人として対応しよう。

「俺の名前はキョウ。薬屋をしながら旅をしているんだ。誰か病気の人が居れば
手ごろな値段で薬やヒールスクロールを提供するよ」

俺が自己紹介を兼ねて、薬屋である事を話すと子供達は俺に対して
哀れなものを見るような目で見て来た。
なんだこれ?地味に傷つくぞ。

「その……キョウさん。
今、アルダ村には怪我人も病人もいないし……それにね…この間、薬屋の人が
来たばっかりだから…。」

「………」

気まずそうに言う、少女イシュラちゃんに現実を突きつけられてショックを受ける俺。
そうだよね。うまくいかないのが人生だよね。

「落ち込むなよ兄ちゃん。きっとそのうちいい事あるよ」

「飴いる?」

「かんばって」

落ち込んでいると慰めてくれる少年達。
その少年達の中には自分のおやつであろう飴玉をくれようと
する子まで居た。
全員とても優しい眼をしていて、本当に俺のことを慰めようとしてくれているようだ。

「ははは、ありがと。じゃあ、飴玉のお礼にこの薬をあげよう」

少年達の励ましで、癒された俺は優しい彼等に笑顔で傷薬をプレゼントした。
完全な赤字だが、問題ない。
代金は彼等がくれた励ましの言葉だ。

「え?僕達もいいの?」

「ああ、もちろんさ!」

飴玉の少年以外にも薬をプレゼントされるとは思わなかった、少年は戸惑いながら
自分達も貰っていいいのか?と質問してきたが、俺は気前のいい返事と共に彼の手に
薬を渡す。

「ありがと、兄ちゃん!」

「頑張ってね!」

薬を俺から受け取り、お礼を言った後、これ貰ったー!と両親にと思われる
大人に笑顔で見せる少年達。
見せてもらった両親はすみませんねーみたいな感じで軽く頭を下げて
家に帰っていった。

よし!テンションも上がって来た事だし、次の町か村に行きますか。

くー…

やる気十分に一歩踏み出した俺だったが、腹の虫が『待てよ、飯でもく・わ・な・い・か?』
と語りかけてくる。
時間的に恐らく昼飯の時間なのだろう。
………。
先に飯を食べてから出発しよう。


☆☆☆




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