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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第10話 To be,or not to be
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r not to be ……と言う感じですか。

「大丈夫。俺の能力は知っているやろう。タバサとその母親のふたりぐらいなら、一生面倒を見ても大丈夫なぐらいの甲斐性は持っている心算や。
 まして、かたっ苦しい貴族の生活とは違う、平穏な生活は保障出来るからな」

 俺は、それまで考えていた内容の事など、オクビに出す事も無くそう続けた。

 それに、追っ手が掛かるようなら、排除すれば済むだけ。
 王位継承権を持たないタバサを何故、エルフの毒を盛る事に因って精神に異常を来すようにしようとしたのかが判らないのですが、タバサとその母親が逃げて、更にガリア王家から追っ手が掛かったとすれば、ジョゼフがタバサの父親の暗殺に関わった可能性が高くなるだけですから。

 まして、状況次第では、俺が異世界へのゲート『奇門遁甲陣』を、安定した形で開けるようになっている可能性も有ります。

 もし、彼女にガリアからの追っ手が掛かり続けるようならば、異世界にタバサとその母親を連れて逃亡する事だって、俺には可能だと言う事。
 それに、もしそこまで追わなければならない理由がタバサ母娘に有るのなら、その隠れ住んでいる町や村、大きくは国などに迷惑が掛かる可能性も有ります。そんな、陰の気をまき散らせるようなマネは出来る訳が有りません。

 本来、タバサ達が居なければ被る事の無かった害です。そして、最終的には、ガリアを恨むと同時に、そこに隠れ住んでいた俺達を恨むように成りますから。

 それに、俺には、何処の世界でも生きて行くだけの基本的な能力は有ります。それこそ、タバサとその母親の食い扶持ぐらいはどうとでもしてみせますよ。

 其処まで思考を纏めてから、自らの主。蒼き姫を見つめて、肺に残った空気を、ため息にも似た吐息で吐き出す俺。

 そう。これは、既に彼女。タバサの周りには、この世界の魔法の使用過多による陰の気の滞りに引かれての不幸の連鎖が起きつつ有った、と言う事なのかも知れませんから。
 陰の気を滞らせれば、その陰の気に惹かれて、更なる陰の気。つまり、不幸が舞い込んで来る事となる。

 所謂、不のスパイラル、と言う状況と成りつつ有ったと言う事でしょう。

 もし、彼女が、それでも尚、父親の仇討ちを行おうとするのなら、その時は、俺の手で彼女をどうにかするしか方法がないのかも知れないのですが。

 世界に混乱を齎せる邪仙として封神するしか……。

 タバサが真っ直ぐに俺を見つめる。その瞳には、先ほどまでの陰にして苛烈な怒りの色は浮かんではいない。
 そして、

「大丈夫。わたしは、父の仇討ちなどを考えている訳ではない」

 俺の表情を、そして、発して居る気を読んだのか、それまでとは違う。少しの温かみを感じさせる雰囲気を纏わせて、タ
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