第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第10話 To be,or not to be
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そもそも、この事態を防ぐ為に王弟を殺したのでしょう、現王は。
まして、一度はエルフの毒とやらで、タバサの精神を破壊しようとしたらしいですから。
もっとも、そのエルフの毒とやらで、タバサの精神を破壊したトコロで、タバサの性別が女性である以上、まったく意味が無いと思うのですが。
男系男子の系譜を継ぐが、今現在の爵位の低い者が、その精神の崩壊したタバサを娶れば、たったそれだけの事で、新たな後継者候補に躍り上がりますから。
この新たな火種を無くす為には、エルフの毒など使わずに、素直に内乱を企てた罪でオルレアン公に繋がる家系の者は処分して終った方が後腐れがなく、国の混乱も一時的な物で終息する可能性の方が高いでしょう。
しかし、何故か、彼女は生きて俺を召喚している。
これは、王弟暗殺の動機自体を疑って掛かる必要が有る、……と言う事だと思いますね。
王弟を誅殺出来て、しかし、その家族を生き残らせ、更に、その後の生活が成り立つように騎士に任じるなど、とてもでは有りませんが、国の為を思って王弟を誅殺する事が出来た王の行いとは思えない甘い対応だと言わざるを得ない。
更に、もうひとつ問題が有ります。
王を失った国をどうするのか、と言う大きな問題が。
サリカ法が有る以上、タバサが女王に即位する事は出来ない。
まして、父親の仇の可能性が有るとは言え、相手は実の伯父で有り、自らを騎士に任じた現国王。
この相手を殺した大逆の不忠者を、女王に推戴しようとする諸侯ばかりとは限らない。
いや、むしろ……。
野心に駆られたヤツや、現王家に忠実な者などが反旗を翻す可能性が大。
まして、それぞれの諸侯が軍を持っている封建君主制の時代なら、簡単に戦国時代が訪れるでしょう。
そもそも、大逆の不忠者。更に、王位継承に重要な法律のサリカ法を無視して女王に即位した人間を討てば、それだけで歴史上では英雄として名を残す事が出来、新たなガリアの王朝を築く事が出来ます。
自らが太祖と成って。
これは、野心の無い人間でも、漢ならば心が動かされる状況だと思いますね。
タバサのバックに、これを抑え込めるだけの戦力が無い限り、彼女がガリアの女王の位に登ったとしても、その玉座を温める間もない内に、次の王によって排除される方の可能性が高いでしょう。
貴族が己の野心で殺し合いをするのは勝手ですが、それを一般人まで巻き込むような内乱に持って行くのは問題が有ります。それで無くとも、この世界の一般的な魔法は陰の気を発生させるモノ。
これを大規模に使用する戦争などと言うモンを引き起こした場合……。
どう考えても、ロクな結果にはならないな。
復讐すべきか、せざるべきか。それが問題だ。
To be ,o
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