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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第10話 To be,or not to be
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身は全面的に信用している訳ではなさそうな。まぁ、その話を信用する材料が増えます。

 いくら王子が産まれたからと言っても、その王子がある程度の年齢に達するまでは王位継承順位は王弟の方が上の場合が多かったと思います。確か、封建君主制の時代なら、正嫡に拘るよりも、配下に対する抑えなどの意味から、より年齢の高い、王位の兄から弟への継承も結構有ったように記憶していますから。

 但し、それでも未だ、根本的に解決しない大きな問題が残っているとは思うのですが。

 この質問に対して、タバサはふるふると首を横に振った。そして、

「王家には従姉のイザベラが居るだけ」

 ……と答えた。

 成るほどね。王家に男児がいないのなら、自らの子供を王位に就けようとした訳でもないと言う事か。これは、益々、訳が判らないな。

「ジョゼフが王位を継いだ時に、もしかして、タバサのお父ちゃんとの間に王位継承問題が起きなかったか?」

 考えられるのはこれぐらいですか。
 但し、その場合、国を乱した罪は現王よりも、むしろ正嫡以外に国を継がせようとした貴族達に有ると思いますね。
 こう言う輩は、往々にして、国の為とか口では唱えながら、己が権力を握りたいが故に正嫡以外の子供に近づき、その子供を王位に即けようと画策する。

 タバサの母親の実家や、その親戚回りが一番怪しくなるな。所謂、外戚と言うヤツに成りますから。

 もっとも、普通は国が乱れる事を嫌い、前王で有る父。つまり、タバサの御祖父ちゃんがそんな事をさせないモノなのですが……。

「父に王位を継ぐ意志は無かった。但し、ガリア貴族の中の一部勢力が父を王位に就けようと画策していた事は事実」

 タバサがそう淡々と答えた。普段と同じ口調なのですが、矢張り、感情の部分はそう言う訳には行かない。
 それに、これは仕方がない事でも有りますか。

 それに、本当に王位を継ぐ意思が無かったのかと言うと、かなり疑問が残るとも思うのですが……。

 これは地球世界のフランスの例なのですが、もし本当に王位を継ぐ意志がないのなら、オルレアンの家名を王家に返上すべきです。この家名を持ったままでは、少々ドコロではない危険が伴う可能性も有りますから。
 おそらく、家名と爵位。それに伴う領地の返上を行って、新たに伯爵以下の爵位を賜れば、自らに王位を伺う意志なし、と表現出来て、確実に天寿を全う出来たと思います。

 しかし、それも行わず、自分を王位に即けようとした取り巻きの貴族達との密接な付き合いを続けていたとしたら、オルレアン家が王家に粛清されても文句は言えません。
 現王家としては、国内に無用な波風を立てる訳には行きませんから。 

 後は、ジョゼフとタバサのお父ちゃんが正室と妾腹の差が有るか、
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