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蒼き夢の果てに
第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第10話 To be,or not to be
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雰囲気が有りますが。
 これは、彼女の視点は、かなり高い位置から自らの置かれている状況を確認出来るだけの広い視野を持ち、そこから柔軟な発想などが出来ると言う事だと思いますね。

 成るほど。これは、中世レベルの情報伝達速度の世界に身を置いている人間だと思って相手をしていると、かなり失礼な対応を取る可能性も有ったと言う事ですか。その事について、早い段階で気付けて良かったと言う事でしょう。

「それで、そのタバサの父親を殺したのは、タバサの叔父さんに当たる相手なのか、
 それとも伯父さんに当たる相手か」

 少し、彼女の言葉が途切れたので、俺は、そうタバサに聞いた。
 尚、これはあまり意味が無いように思えるかも知れないけど、重要な意味を持っています。
 何故ならば、

「その相手は、伯父。現ガリア王国の王、ジョゼフ一世」

 口調自体は変わらず。しかし、その人物の名前を告げる時、タバサからは、彼女に相応しくない雰囲気が発せられた。
 出来るだけ、平静を装うとはしているのですが……。

 しかし、成るほど。これは、正嫡はジョゼフ一世の方と言う事ですか。えっと、それから確か、地球世界のフランスでオルレアン家と言う家名は、かなり高い王位継承順位を持った王子が名乗る家名だったような記憶も有りますね。
 例えば、王位継承順位が一位の王子とか。

 いよいよ、御家騒動。それも、かなりドロドロの御家騒動に巻き込まれたと言う事だと思います。
 まして、国内の貴族に粛清の嵐が吹き荒れているとするならば、これは非常に厄介な状態。

「いくつか質問が有るけどかめへんかいな?」

 俺の問いに、タバサが首肯く。但し、先ほどまでとは雰囲気が違う。
 はっきり言うと、あまり好ましい感情とは言い難い。

「ガリアにはサリカ法典。つまり、王位継承権に関する法律で、男系男子以外に継承を認めないような法律はないか?」

 ここが平行世界だとしても、フランスらしき国になら、地球世界の中世フランスに有った法律が有る可能性はゼロではない。……って言うか、中世のヨーロッパで女王が王位に即く事を認めていた国自体、そう多くは無かったと思います。イギリスではこじつけのような理由でブラッディ・メアリが女王に即位して、国がかなり乱れた歴史が有りましたし。

 俺の問いに、少し考えた後、タバサはコクリと首肯く。これは肯定。

「現在、王家には男子は居るか? 王位継承権を持つ王子が」

 もし、ジョゼフが王位を継いだ時に、タバサの父親オルレアン公シャルルが暫定的に王位継承順位一位と成り、その後にジョゼフ一世に男児が生まれていた場合には、タバサの言う事……と言うか、おそらくタバサが語っている言葉は、貴族の間に流布しているウワサ話だと思います。タバサ自
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