第31話 少女の想い、少年の決意
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だ。並大抵の事じゃ出来ない芸当である。
やがて、凄まじい風圧が体から消え去った。
台風を抜けたのだ。目の前には台風が回っている。どうやら此処はお目当ての台風の目のようだ。
「到着! 目的の品は真下にある。後は頼むね」
「うん、任せて!」
少年から離れてフェイトがバルディッシュを手に6つのジュエルシードへ向う。
此処は竜巻の目。
即ち竜巻の影響は受けない。今のジュエルシードは裸同然である。
「まずはあれを無力化する。ハーケンセイバー!」
金色の刃を放ちジュエルシードの纏っていた結界を破壊する。
一撃を受け破壊された結界と同時に周囲を回っていた竜巻も姿を消した。どうやら大人しくなったようだ。後は封印するだけだ。
フェイトが6つのジュエルシードを封印しようと近づく。
だが!
「危ない!」
咄嗟に少年がフェイトを抱えてジュエルシードから離れる。
フェイト達が異議を唱えようとした直後、そのジュエルシードに向かい紫色の極太の雷撃が放たれた。
もしそれが直撃していたら例えバリアジャケットを纏っていても危険だった。
「今のは…母さんの!」
「危なかった。あれをまともに食らってたら今頃黒焦げ魔導師の一丁上がりだったからねぇ」
「そ、それじゃ…ジュエルシードは!?」
フェイトが見た際に其処には6つあったジュエルシードは何処にも無かった。フェイトの母プレシアがジュエルシードを奪う為に行ったのだろう。
だが、知っての通り地球全体を謎の結界が張られている。それを突き破るのは大魔導師であっても苦労する。
恐らくプレシアは焦ってのことだったのだろう。
「そんな…折角見つけたのに…これじゃぁ、もうダンさんは…」
「フェイト…」
意気消沈するフェイトに対し何と言えばいいのか言葉が見つからないアルフ。
だが、其処へ―――
「あのぉ…そのジュエルシードって、これの事かい?」
少年の手には一つだけジュエルシードが持たれていた。それを見た二人の目が点になる。
まるで、「何で持ってるの?」的な目であった。
「いやぁ、君をあの雷撃から遠ざける際に一個だけ失敬しておいたんだ」
「流石執務官! 早業だねぇ」
「嫌、君は何か誤解してるみたいだけど、別に執務官だからってこれが出来る訳じゃないよ。僕の場合は只教えてくれた人がちょっと変わってる人でね……」
***
「へぇっくしぃ!」
その頃、パンツ一枚になってた早川が盛大にくしゃみを発する。
「あ〜、やっぱまだ生乾きだったか。もうちょっと干しておくべきだったかなぁ〜」
焚き火の前で乾いていると思って履いてみたものの、くしゃみを盛大にした為にこれが
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