Mission
Mission6 パンドラ
(1) ニ・アケリア村(分史)
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立ち会うまで死なない』ようにしてくれるはず。それがユースティアからの、エージェント・ユリウスへの依頼。ワタシを傷つけるのは違うでしょう」
「必要以上の事柄を君が知りすぎているからだ。同じクルスニクだとしても、俺のプロフィールを執拗に調べる必要はないはずだ」
「調べてない。ユースティアは知ってたの」
「どちらでも同じだ」
「同じじゃない。剣、やめて」
「――――」
「大声、出す。『ユリウスに性的な乱暴された』って。アルフレドなら飛んでくる」
「なっ…!」
列車テロ首謀者だけでも濡れ衣甚だしいのに、これ以上罪状を追加されてはたまらない。しかも内容が男の尊厳に関わる。
双刀を鞘に戻した。あまりに下らない理由で剣を引かざるをえない自身がユリウスは情けなかった。
「忘れないで。カナンの地が現れるまでに、ワタシが死んでも、アナタが死んでも、ダメ。忘れないでね、ユリウス」
「破ったらどうするんだ?」
破れかぶれに尋ねてみる。すると、ユティは予想外に重い表情をして、ユリウスを見上げてきた。
「……誰にとっても不幸な結果になる。エルにも、ジュードたちにも、そしてユリウス、アナタにも」
――とてもとてもカワイソウなモノを見る目。
「君は一体、何なんだ?」
ユリウスの口をそんな問いが突いて出た。ユティは小さな笑みを刷いた。
「ワタシは、ワタシよ」
ささやかで慎ましい笑顔。ユリウスは状況を忘れて魅せられてしまった。
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