死霊舞う森
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アマゾン川流域はジャングルとして有名である。ここは密林と多くの野生動物でも知られている。
「どうですかアマゾン、久し振りの故郷は」
アマゾン川を行く船の上に二人の男がいた。筑波洋とアマゾンである。
「うん、やっぱりいい」
アマゾンは笑顔で答えた。
「アマゾン自然が好き。緑を見ると心が落ち着く」
「そうですか、それは良かった」
筑波はそれを聞いて微笑んだ。
「けれどこれが戦いじゃなかったらもっと良かった」
アマゾンは残念そうな顔で言った。
「ですね」
筑波もそれを見て表情を暗くした。粗野に思われがちだがアマゾンはライダー達の中でも特に繊細で心優しいライダーなのである。
「けれど悪い奴と戦うのがライダーの仕事、アマゾンあいつ等がいる限り戦う」
「はい」
筑波はその言葉に頷いた。そして船はアマゾンの濁った大河の中を進んで行く。
「そうか、ヨロイ元帥が死んだか」
暗い部屋で一人の男が言った。
「惜しい男だったが」
見れば鬼火司令である。表情を曇らせている。
「あら、やけに優しいのね」
向かい側にいる誰かが囃し立てる様に言った。妖怪王女だ。
「わしは素直に死を悼んでいるのだが」
「あら、そうだったの。そうは見えなかったけれど」
妖怪王女は面白そうに言った。
「妖怪王女、お主はそういうところがいかん。もう少し真面目な態度をだな」
鬼火司令はそれを見て口を尖らせる。
「あらあら、お説教?悪いけれど私お説教は聞かない主義なの」
彼女はおどけて言った。
「だからそういう不真面目なところがいかんと」
司令は更に口を尖らせた。
「二人共」
その奥から誰かが不機嫌そうな声で二人に対して言った。
「もう少し静かにしてもらえないか」
見ればツバサ大僧正である。二人を嫌そうに見て言う。
「あ、いたのツバサ大僧正」
妖怪王女はふと気付いたように言った。
「いたのではない。ここはわしの基地だぞ」
彼は顔を顰めて言った。
「そういえばそうであった。余りにも居心地が良いので忘れておった」
鬼火司令は高笑いをして言った。
「迷惑なことだ」
ツバサ大僧正はポツリと呟いた。
「そもそも二人共何をしに来たのだ?生憎わしは怪人の方は間に合っているが」
「いい情報が入ったのよ」
妖怪王女は微笑んで言った。
「わし等が特別に仕入れた情報だ」
鬼火司令も笑顔で言った。
「フン、どうせいつもの噂話であろう。大体そなた達ジンドグマの者はどうしてそう緊張感が無いのだ」
「さっきも言ったでしょ。お説教は嫌いだって」
「そうじゃ、折角情報を持って来てやったというのに」
鬼火司令も不満を口にした。
「では聞いてやる。言ってみよ」
ツバサ大僧正は不機嫌さと隠しもせず言った
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