摩天楼の悪魔
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分銅がザリガーナの鋏を打ち砕いた。
「確かに貴様の身体は厚い甲羅に覆われている」
鋏が再生する。しかしライダーマンのスウィングアームの前に分が悪い。
「如何なる刃でもその鎧を貫き通すことは出来はしまい」
攻撃を続けながら言う。
「しかしその反面衝撃に対しては無力だ」
その通りだった。ダメージのせいか動きが次第に鈍くなってきている。
「衝撃は確実に内部に伝わる。そしてそれは次第に蓄積されていく」
ライダーマンは鈍くなったザリガーナの動きを見つつ言った。
「ザリガーナ、いやヨロイ元帥」
再び鋏を砕いた。そして一気に攻撃のスピードを速める。
「今こそ貴様を倒す!」
ライダーマンはザリガーナの身体を掴んだ。そしてそのまま跳び上がる。
「ライダーマン高速回転投げーーーーーっ!」
ザリガーナを掴んだまま空中で駒の様に激しく回転する。そしてビルの床めがけ投げ飛ばした。
「うおおおおーーーーーーっ!」
ザリガーナは絶叫した。そしてそれまでいたビルの床に叩き付けられた。
床が壊れた。コンクリートの破片が飛び散る。
怪人の身体は大きくバウンドした。そして二度三度と跳ね返る。
「勝負あったな」
投げ終えたライダーマンは着地して言った。
「グググ、まさか衝撃を伝える攻撃で来るとは・・・・・・」
ザリガーナは立ち上がった。そしてヨロイ元帥に戻って行く。
「迂闊だったわ。このヨロイ元帥ともあろう者が」
ヨロヨロとよろめきながら言う。足元がふらついている。
「まだ立てるか」
ライダーマンはそれを見て言った。
「フン、この俺を誰だと思っている」
ヨロイ元帥はそれに対し吐く様に言った。
「かってのデーーストロンの大幹部だ。一人では死なん」
そう言うとライダーマンを睨み付けた。
「貴様も道連れだあっ!」
ライダーマンへ向けて突進した。
だがライダーマンはそれを冷静に見ていた。そして静かに動いた。
「やはりな。最後の最後までそうか」
彼は跳んだ。そして空中で一回転した。
「ライダーマンキィーーーーーック!」
突進してくるヨロイ元帥の胸を撃った。それを受けたヨロイ元帥は後ろに吹き飛ばされた。
「おのれーーーーーっ!」
ヨロイ元帥は断末魔の叫びを挙げながらビルから落ちていった。そして空中で爆発四散して果てた。
「片桐、皆、これで仇は取ったぞ」
ライダーマンはその爆発を見下ろしながら言った。
「俺の右手もこれで泣かなくて済む」
彼は右手を見た。今右手は静かにそこにあった。
「そうか、遂にあいつを倒したか」
立花は戻って来た結城から話を聞き満面に笑みを浮かべた。
「ええ。長かったですけれどね」
結城は感慨深かげに言った。
「色々ありましたけれどね」
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