摩天楼の悪魔
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「フフフ、この街の栄華もこれが最後だ」
聳え立つ高層ビルを見下ろしつつ何者かが笑った。
「デェーーーストロンで果たせなかった我が望み、今ここで果たしてやろうぞ」
ヨロイ元帥であった。そのオレンジの鎧と白いマントを夕陽に輝かせている。
「おそらくあの男もこの街に来るだろう」
そう言うとニヤリ、と笑った。
「決着を着けてやろう」
彼は風の中に姿を消した。そして摩天楼は夕闇に包まれていった。
ニューヨークはアメリカのみならず世界の経済の中心地として知られている。高層ビルが立ち並びスーツを着たビジネスマンが街を行き来している。
それだけではない。この街は多様な顔も併せ持っている。
ビジネスマンが行き来するウォール街や国連の本部の他にはかってスラム街と呼ばれ恐れられたサウスブロンクス、高級住宅街やニューヨークヤンキースの本拠地ヤンキーススタジアムもある。俗にニューヨーカーというが文化の発信地でもある。
この街に一人の青年が来ていた。結城丈二、ライダーマンである。
「おそらくこの街にもバダンは暗躍しているだろう」
彼はその鋭い洞察力で彼等の行動を予測していた。
「問題は誰が何をするかだ」
彼はかってツインタワーがあった場所を見上げて言った。世界貿易センターはタリバンの飛行機を使ったテロにより完全に破壊された。多くの犠牲者を出した忌むべき事件であった。
「テロを仕掛けて来る可能性が高いな。連中がよくやることだ。しかし・・・・・・」
彼はそこで思案を巡らせる速度を速めた。
「タリバンと同じことはしないだろう。それでは何をしてくるかだ」
彼はそう言うとヤンキーススタジアムへ向かった。
ニューヨークには二つの球団がある。メッツとこのヤンキースである。両方共日本人プレイヤーにより日本においても有名な球団であるが特にこのヤンキースは古い歴史を持ち熱狂的なファンで知られる。
結城はそのスタジアムの三塁側に座った。彼は特にアメリカの野球に詳しいわけでも興味があるわけでもない。ただここである人物と待ち合わせをしているのである。
「おう、待ったか」
日本語で誰かが声を掛けてきた。壮年の男の声である。
「いえ、今来たところですよ」
彼は声のした方を振り向いて微笑んだ。
「そうか、ならいいんだが」
声の主は立花であった。
「じゃあ行くか」
「はい」
スタジアムに着いてすぐだが二人はすぐにスタジアムを後にした。
「まずは何か食うか」
「はい。じゃああそこに入りましょう」
二人はハンバーガーショップに入った。ありふれた話であるがマクドナルドである。
「やっぱり日本のやつとは味が違うな」
立花はハンバーガーを頬張って言った。
「そうですね。アメリカのハンバーガーの方が大味に思い
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