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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
十番目の光
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その姿を見て言った。
「何故ここに、撤退したのではなかったのか」
「そなたが心配になってな。戻ってきて良かったようだな」
 暗闇大使は三影に対して微笑んで言った。
「・・・・・・・・・」
 だが三影は彼から顔を逸らした。
「フフフ、申し訳ないとでも思っているのか」
 暗闇大使は宥めるような笑いをとった。
「貴様も同じバダンの一員だ。ならば身を以って助けるのが掟であろう。わしはその掟に従ったまでだ」
「そうか」
「ここは退くがいい。そして再び改造を受けその傷を癒すがいい」
「・・・・・・わかった」
 三影は頷くと姿を消した。
「・・・・・・行ったか」
 ゼクロスはそれを見て呟いた。
「さてゼクロスよ」
 暗闇大使は彼に顔を向けた。
「バダンに戻るつもりは無いようだが」
 彼は静かな顔で語り掛けてきた。
「ああ。俺は貴様等を倒す」
 彼は毅然として答えた。
「俺は世界の人達を護る為に貴様等と戦う。そして叩き潰してやる」
「フフフ、そうか」
 暗闇大使はそれを聞き不敵に笑った。
「元気がいい。まるでライダー達のようだな」
 彼はそう言うとニヤリ、と笑った。
「しかしな」
 彼は言葉を続けた。
「我がバダンを侮ってもらっては困るな」
「何っ!?」
 ゼクロスはその言葉に対し身構えた。
「我がバダンの力をもってすれば世界征服も貴様を抹殺することも赤子の手を捻るようなものなのだ」
 彼は自信に満ちた声で言った。
「我等の手には神の力がある。これで我がバダンはその理想を実現するのだ」
「まだそのような戯言を」
 ゼクロスはそれを否定しようとした。

「わしが戯言を言うと思うか!?」
 暗闇大使はその奇怪な左腕を掲げて言った。
「何なら貴様をその神の力で始末しても良いのだぞ。我がバダンの栄えある首領の生け贄としてな」
「・・・・・・・・・」
 ゼクロスは間合いを取った。そして二人は対峙した。
「今始末しても良いな。そうすれば手間が省ける」
 暗闇大使は笑みのまま対峙する。両者は技を繰り出そうとする。
 その時だった。その場に何者かの声がした。
「生憎だな。その言葉貴様に返そう」
 一号の声だった。見れば九人のライダー達がそこにいる。
「やはり来たか」
 暗闇大使は彼等を見据えて言った。
「我等に歯向かう愚か者共よ」
「フン、愚か者か。言ってくれるな」
 二号がその言葉に対しシニカルな声で返した。
「二度甦っても一向に心を改めない貴様よりましだがな」
「二度目!?」
 暗闇大使はその言葉に対し唇の端を歪めた。
「今二度甦ったと言ったな、このわしが」
「そうだ、ふざけるのもいい加減にしろ」
 今度は一号が口を開いた。
「地獄大使、ドイツでの決着今着けてやる」

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