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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
十番目の光
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ーロイド自身も後ろに飛んだ。
「来たか」
 砲弾が迫る。ゼクロスはそれを冷静に見ている。
「・・・・・・今だ」
 右手を前に出した。そしてその手の平を広げた。
「フフフ、何をするかと思えば」
 タイガーロイドはそれを見て笑った。
「バリアーなぞ張っても無駄だあっ!」
 だがゼクロスはバリアーを張ろうとはしなかった。その替わりに何かを出した。
「ムッ!?」

 それは超音波であった。普通の人間の目には見えないが彼等にはその音の振動が目に映る。
 音波が砲弾を撃った。そして信管がそれに反応した。
 信管が作動した。そして爆発を起こした。
「な・・・・・・まさか音波を使って砲弾を破壊するとは・・・・・・」
 タイガーロイドは目の前で爆発した砲弾を見て呆然となった。
「音波砲だ。俺にはこういった力もある」
 ゼクロスの声がした。
「ムッ!?」 
 爆風が消え去った。だがそこに彼の姿は無い。
「クッ、何処だっ!?」
 辺りを必死に見回す。
「ここだ」
 後ろから声がした。
「おのれっ!」
 タイガーロイドは振り向きざまに拳を繰り出した。
 拳はゼクロスの頭を打った。かに見えた。
 しかしゼクロスの姿は消えた。それはホノグラティーであった。
「残念だな。俺はここだ」
 今度は前から声がした。
「糞っ、小癪な真似を・・・・・・」
 タイガーロイドは彼を睨み付けた。先程の余裕に満ちた様子は何処にもない。
「貴様は今いらついているな」
「それがどうしたっ!」
 彼はその言葉に益々感情を露にした。
「貴様には感情がある。それこそが貴様が人である証なのだ」
「ふざけるな、それがどうして俺が人だという根拠になるっ!」
「人間は多くの感情を持っている」
 ゼクロスは言った。
「その中には素晴らしいものが多くある。しかしな」
 彼は言葉を続けた。
「それと同じ位醜い感情もある」
「醜い・・・・・・それこそが人間だろうが」
「偏見、傲慢、不遜、差別・・・・・・。実に多くある」
 ゼクロスは怪人の言葉に構わず言葉を続けた。
「だが俺はその中でも最も醜いものを今知った」
「それは何だ!?」
 タイガーロイドは問うた。
「それを自分で正当化し覆い隠そうとする卑劣さだ。今の貴様のようにな」
「戯言を・・・・・・」
 タイガーロイドはそれを笑い飛ばした。
「戯言ではない。貴様は自分のことに気付いていないのだ」
 ゼクロスは言った。
「貴様は自分が思っているような者ではない。貴様も所詮は軽蔑し見下す人間なのだ」
「ふざけるな。それでは俺もあの愚かな者と一緒だというのか」
「悪い意味でな。貴様は自分の思い上がった選民思想や権力欲を性悪論や力への信仰で理論武装しているに過ぎないのだ」
「・・・
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