十番目の光
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「裏切り者は決して許さず何処までも追い詰め消す」
彼はゼクロスを睨み付けて言った。
「暗闇大使は俺とヤマアラシロイドに貴様を連れ戻すよう言った。そしてヤマアラシロイドはそれに従った。だがな」
彼はその目の光を強くさせた。
「俺は違う。裏切り者は必要無い。バダンに裏切り者はいらん」
そう言うとサングラスを取り外した。
「貴様は裏切り者だ。バダンに仇なす者を俺は決して許さん」
身体が黄色と黒の毛に覆われる。顔が変形し獣のものになる。
背に砲身が現われた。それはまるで星を射抜く様に天に向けて聳え立っている。
「バダンの改造人間タイガーロイド、これが俺の真の姿だ」
彼は変身を終えるとゼクロスに対し語った。
「俺がこの真の姿を見せる時は二つしかない」
彼は静かに言った。
「一つは首領の御前、そしてもう一つは・・・・・・」
彼はさらに言った。
「敵を倒す時だけだ」
「・・・・・・・・・」
ゼクロスはやはりその言葉を沈黙して聞いていた。
「俺のこの姿を見て生きている者はいない。首領以外にはな。こう言えばわかるだろう」
「ああ」
ここでゼクロスはようやく答えた。
「貴様はここで死ぬ。覚悟はいいな」
彼はそう言うと構えを取った。
「・・・・・・残念だが」
ゼクロスもそう言うと構えを取った。
「俺は負けん。決してな」
そう言うと間合いを取りはじめた。
両者は足を横に動かした。そして互いの隙を窺う。
まずはタイガーロイドが攻撃を仕掛けてきた。両脇に備えている機関砲を放った。
ゼクロスはそれを右斜め上に跳びかわした。そして肘に備えている手裏剣を手に取った。
それを投げ付ける。手裏剣は風を切りながら怪人に向かう。
「甘いな」
タイガーロイドはそれを見てニヤリ、と笑った。左手を手裏剣に向けた。
指が放たれる。それはゼクロスの手裏剣を全て射抜き地面に叩き落とした。
「指の手裏剣か」
着地したゼクロスはそれを見て言った。
「そうだ。貴様の手裏剣とは少し違うがな」
タイガーロイドはその不敵な笑みを浮かべたままゼクロスに対して言った。
「俺は全身が武器となっている。バダンは俺を素晴らしい兵器に改造してくれたのだ」
「兵器、か」
ゼクロスはこの言葉に仮面の下で眉を顰めた。
「そうだ、バダン最強の兵器にな。俺はバダンの誇る最強の兵器でもあるのだ」
「・・・・・・愚かな」
ゼクロスは彼に侮蔑を込めて言った。
「?それはどういう意味だ」
タイガーロイドはその言葉に対して問うた。
「愚かだと言ったのだ。人であることを捨て兵器となり喜ぶとはな」
「フン、バダンを裏切った貴様に何がわかる」
タイガーロイドは毅然とした声で言った。
「我がバダンの崇高な理念に殉
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