甦りし記憶
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「誇り高き怪人軍団長、敵に倒される位なら自分でカタをつけます」
そう言うとニヤリ、と笑った。
「またお会いしましょう」
彼はそう言うと自爆した。爆風がゼクロスの頬を打った。
「死んだというのか」
ゼクロスは不意にそう言った。だがすぐに思い直した。
「違うな」
また会うだろう、と思った。そしてその時こそ完全に倒してやる、と決意した。
彼は人間の姿に戻った。そして屋敷に帰ってきた。
「おお、帰って来たか」
後ろから声がする。伊藤博士だ。
「何処へ行ったかと思ったよ。辺りを探していたんだが」
「林の方にいました」
彼は素直に答えた。
「そうか、では私が探していたのは逆の方だったようだね」
博士は少し落胆した声で言った。
「そうですね。けれど安心して下さい。あいつは俺が倒しました」
「そうか。それは何よりだ」
「はい」
彼はそう答えるとそのまま歩いて行った。そしてガレージに入った。
「何処かに行くのかい?」
博士はそんな彼に対し尋ねた。
「奇巌山に」
村雨は静かな声で答えた。
「何っ、奇巌山だと!?」
かってデルザー軍団の基地があり七人のライダーと首領が戦った地。そこへ行こうというのだ。
「しかしあの場所は・・・・・・」
博士は口籠もる。何か知っているようだ。
「そうだ、だからこそ行くつもりだ」
村雨は意を決した顔で言葉を返した。
「俺はバダンを倒す。この手で完全に叩き潰してやる」
彼は怒りに燃える声で言った。その表情は今までの人形のようなものとは全く異なっていた。
「村雨君、待ってくれ」
博士は彼に対し呼び止めるように言った。
「すぐに戻って来る。バダンを叩き潰してな」
彼はそう言うとバイクに乗った。
「じゃあ」
彼はエンジンを入れた。そして屋敷を後にした。
「行ってしまったか・・・・・・」
博士はすぐに見えなくなってしまったその後ろ姿を見つつ呟いた。
「私が恐れていた通りになってしまった」
先程の村雨の顔を思い出しながら呟く。
「憎悪に心を奪われてはならないと何度も言ったのに・・・・・・」
しかしそれが適わないことも彼はわかっていた。何故なら村雨は人としての心を取り戻したのだから。
「怒りや憎悪も人の持つ心だ。ならばそれを乗り越えなくてはならないというのか」
彼は村雨が消えた道を見つめていた。
「おい、あいつは奇巌山へ行ったみたいだぞ」
立花は通信室から店に入りカウンターにいる九人のライダー達に対して言った。
「奇巖山ですか!?」
本郷が眉を顰めて問うた。
「またあそこか」
風見はその目を光らせた。
「ああ。さっき伊藤博士から連絡があってな。どうやらあそこに何かあるらしい」
「奇巌山か。迂闊だっ
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