甦りし記憶
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「ムッ!?」
そのチェーンはヤマアラシロイドの槍に絡みついた。
「喰らえっ!」
ゼクロスは叫んだ。するとチェーンに電流が走った。
「そうはさせませんよっ!」
ヤマアラシロイドは槍をゼクロスに向けて投げた。そして新たな槍を引き抜く。
ゼクロスはその電流が走る槍を受け止めた。そして二つにへし折った。
その槍を投げた。二つに折れた槍は電流を撒き散らしながらヤマアラシロイドへ向かって突き進む。
だがヤマアラシロイドはその槍を自身が手に持つ槍で叩き落とす。ゼクロスはそこに手裏剣を投げる。
「グッ!」
それは怪人の手首に突き刺さった。彼は思わず声を出した。手に持つ槍が落ちる。
「今だっ!」
ゼクロスは続けて手裏剣を投げ続ける。だがヤマアラシロイドはそれを斜め上に跳んでかわした。
この時ゼクロスは手裏剣とは別にあるものを投げていた。
それは手裏剣ではなかったが形は少し似ていた。動きもほぼ同じであったのでヤマアラシロイドも気がつかなかった。
怪人の右脇に着いた。だが彼はそれには気付かなかった。
「フフフ、手裏剣ですか」
手裏剣をかわした怪人は木の枝の上に片膝を着いて笑っていた。
「流石はバダンの科学力を結集して作られた改造人間、まるで忍者です」
「言うな、俺は望んで改造人間になったのではない」
ゼクロスは声を荒わげて言った。
「俺は普通の人間として生きたかったのだ、それを貴様等が俺の心を奪い改造人間にしたのだ!」
「・・・・・・それがどうしたというのです?」
ヤマアラシロイドはそれに対し冷たい声で返した。
「むしろ感謝するべきではないのですか?」
「感謝だと!?」
ゼクロスの声は荒いままである。
「そうです。折角素晴らしい力を授けられ人などという下らないものを超越出来たというのに。それの何処が不満だというのですか?」
「・・・・・・貴様、姉さんを殺しておいてよくもそんな・・・・・・」
「わかりませんね。人一人の命でそこまで取り乱すとは」
ヤマアラシロイドは理解に苦しむ、といった態度で答えた。
「人なぞ我々の奴隷、もしくは糧にしかならぬもの。言わば消耗品です。消耗品の為に何をそこまで感情的になるのです?それこそ貴方が記憶と感情を消された理由だというのに」
「奴隷だと・・・・・・!」
ゼクロスは思わず叫んだ。
「そうです、奴隷です」
ヤマアラシロイドは迷わず答えた。
「愚かで弱い存在でしかないというのにそれ以外の使い道があるというのですか?貴方のその怒りこそ我々にとっては全く理解出来ないものです」
彼は言葉を続けた。
「我等が理想社会には弱いものは不要です。選ばれた真に強いものこそが支配し君臨する世界なのですからね」
「では俺の姉さんは不要だったというのか
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