甦りし記憶
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うと指を鳴らした。すると椅子が現われた。
「そこへ置きなさい」
村雨を捕らえていた黒い男の一人は彼をその椅子に座らせた。
「宜しい。では始めましょうか」
彼は再び指を鳴らした。すると部屋の中央に黒い鉄の椅子が現われた。
「その女をそこへ」
彼はしずかを捕らえている男に対して言った。
「ハッ」
男は答え彼女をそこに座らせた。
しずかは椅子に座らせられる。すると椅子が急に変形した。
「何っ!?」
椅子から鉄の輪が出て来た。それで彼女の両手と両足を固定した。
「これは・・・・・・」
しずかはあまりのことに狼狽した。ヤマアラシロイドはそれを見て残忍な笑みを浮かべた。
「それだけではありませんよ」
彼は言った。すると彼女の頭と全身を鋭い針が突き刺した。
「ああっ!」
しずかは呻き声を出した。
「姉さんっ!」
村雨は姉のその姿を見て思わず叫んだ。彼女の全身から血が流れる。
「フフフ、どうです?目の前で大切なものが傷付くのを見るのは」
ヤマアラシロイドはしずかの横に立ち村雨に対して言った。
「貴様、それでも人間か・・・・・・」
村雨は椅子に縛り付けられ動けない状況でも彼を睨み付けた。
「人間!?」
ヤマアラシロイドはその言葉に対して笑った。
「私を人間だと仰いましたね」
彼は村雨の言葉を噛み締める様に言った。
「そうでなければ何だというんだ!」
村雨は激昂して言った。
「今お話しても無駄でしょうね」
彼は済ました声で言った。村雨を嘲笑する様に。
「貴方が人間である限りは」
そう言うと三度指を鳴らした。するとしずかの身体に突き刺さる針に何かが宿った。
それは電流であった。ゆっくりと彼女へ向かっていく。
「ま、まさか・・・・・・」
村雨はそれを見て顔面蒼白になった。
「そのまさかですよ」
ヤマアラシロイドは楽しそうに言った。
「りょ、良・・・・・・」
しずかは村雨の顔を見て彼の名を呼んだ。
「姉さん・・・・・・」
村雨もである。だがその間にも電流は少しずつ彼女に近付いていっている。まるで二人を嘲笑うかのように。
電流がしずかの全身を襲った。彼女は身体を思いきりのけぞらせた。
しずかは電流に覆われた。そしてそれが荒れ狂う中身体をよじらせる。
「姉さんっ!」
村雨はそれを見て絶叫した。だが彼女は死の苦しみにのたうち回り彼に答えられない。
「そろそろいいですかね」
ヤマアラシロイドはそう言うとまた指を鳴らした。すると電流は止まった。
しずかは身体をのけぞらせるのを止めた後首を元に戻した。そしてその首を前にガクッ、と落とした。
「姉さ〜〜〜〜〜〜んっ!」
村雨は黒コゲになった姉に対して必死に叫んだ。だが返答は無かった。
「無駄
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