甦りし記憶
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マシーン大元帥は二人の方へ歩いてきた。そして村雨の方へ顔を向けた。
「村雨良、貴様は自分についてどう考えている」
「・・・・・・それはどういう意味だ!?」
村雨はその言葉に対して問うた。
「そのまま一介の人間として終わってよいのか。自分に相応しい力が欲しくはないか」
「力、だと!?」
「そうだ」
マシーン大元帥は再び笑った。
「貴様は我等の同志となるのに相応しい力の持ち主だ。貴様はその力を我等が理想の為に捧げるがいい」
「待て、勝手に決めるな」
彼はその言葉に対し反発した。
「俺は自分の事は自分で決める主義だ。あんた達が何を言おうとな。それに」
一呼吸置いて言った。
「あんた達にとやかく言われる筋合いは無いぞ」
だがマシーン大元帥はそれを一笑に付した。
「フフフ、生憎だが貴様の考えはどうでもよい」
彼は右手を挙げた。
「我々は貴様のその能力だけが欲しいのだからな」
闇の中から戦闘員達が姿を現わした。そして村雨としずかを取り囲んだ。
「嫌だというのなら強制させるまでだ。記憶と感情を消してな」
「お待ち下さい、マシーン大元帥」
その時闇の中から一人の男が現われた。
「ほう、お主か」
壮年の白人の男であった。ヤマアラシロイドである。
「それでしたら私にお任せを。記憶を消すのならば私しかおりますまい」
「そうであったな」
マシーン大元帥は彼を横目で見て口の端を歪めて笑った。
「ではお主に任せるか。この男の事は」
そう言って姿を消そうとする。
「お待ち下さい」
ヤマアラシロイドはそんな彼に対し声を掛けて来た。
「何だ?」
彼は姿を消そうとするところで戻って来た。
「この女は如何致しましょう」
ヤマアラシロイドはしずかの方を見て言った。
「ふむ、そうだな」
マシーン大元帥は顎に手を当てて考えた。
「お主に任せるとしよう。好きにするがいい」
「わかりました」
マシーン大元帥は言葉を終えると姿を消した。後にはヤマアラシロイドと黒い男達が残った。
「さて、と」
ヤマアラシロイドは二人の方を見て言った。
「では行きますか」
彼はそう言って笑った。それは獣の様な笑いであった。
二人はある部屋に移された。それは暗く何も無い密室であった。
「俺達をどうするつもりだ」
村雨はヤマアラシロイドを見据えて言った。
「それは決まっていますよ」
彼は村雨を見て笑った。
「貴方の記憶と感情を消すのですよ」
その笑みは悪魔の笑みであった。
「記憶と感情をだと。そんな事が簡単に出来るものか」
「我々を侮ってもらっては困りますね」
ヤマアラシロイドはそんな彼に対して言った。嘲笑する声であった。
「この全知全能の力を持つ我々を」
彼はそう言
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