暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
記憶の欠片
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 村雨がヤマアラシロイドと会い数日が経った。その間バダンの目立った動きは無く立花やライダー達は彼等の情報を収集し捜査をしているだけであった。
 村雨も動いてはいなかった。ヤマアラシロイドと会った事を伊藤博士には伝えたがそれで終わりであった。
 この数日彼は毎日外で出ていた。バイクで近所を回り日が暮れると家に戻り休む。それの繰り返しであった。
 彼は屋敷に戻るといつも考えた。自分の姉と記憶のことを。
「博士は何も言おうとしないな」
 シャワーを浴びベッドに入って考える。そしてあのヤマアラシロイドの言葉を思い出した。
「一体どういうつもりなんだ」
 だがそれはわからない。ただの脅しかも知れない。
 しかしそうでないことは彼が一番よくわかっていた。必ず何かしてくるだろうと確信していた。
「何をしてくるつもりだ」
 ふと窓の方を見た。青がかった澄んだ黒の空に黄金色の月が浮かんでいた。
 月は何も語らない。だが黙って村雨の部屋を、そして夜の世界を照らしていた。

 翌日も彼はバイクで外に出ていた。何処へ行くかは気の向くままである。
 道を走る。丁度横須賀の方へ向かっていた。
 横須賀は港町である。かって日本海軍の軍港があり今は海上自衛隊及びアメリカ海軍の港がある。防衛大学もあり独特の雰囲気が漂う街である。
 その街を彼は歩いていた。そして商店街を見回っていた。
「色々とあるな」
 彼は店を一つ一つ見回りながら言った。そしてふと眼鏡屋に入った。
「何かいいものはないか」
 目に問題があるわけではない。改造手術の為人のそれとは比べ物にならないものになっている。ただ道を行く若者がかけているサングラスに興味を持っただけであった。
「サングラスはないか」
 店員に尋ねた。気のいい若い男の店員は喜んで数品出してきた。
「どれが宜しいですか?」
 店員は尋ねた。村雨はそれ等のサングラスを見た。
「そうだな」
 ふと赤いサングラスを手に取ろうとする。そこで後ろから声がした。
「それは止めておいた方がいいな」
 後ろを振り向く。そこにはあの男がいた。
「御前は・・・・・・」
 あの時一人で現われた男だ。
「久し振りだな」
 三影は村雨に対しニヤリ、と不敵に笑って言った。
「サングラスには五月蝿くてな。赤いのは駄目だ」
 彼は前に出て村雨に対して言った。
「ではどれがいいのだ」
「それは決まっている」
 そう言うと自分のかけているサングラスを指し示した。
「これだ。黒、それもレイバンだ」
 かってマッカーサーがかけていたものと同じだ。
「おい、レイバンはあるか」
 店員に尋ねた。
「はい、こちらに」
 店員はそれを差し出してきた。村雨はそれを買った。
「どうだ」
 店を出てレイバンをかける村雨に対し
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