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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
記憶の欠片
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にかっての知り合いだということを教えただけだ」
「姉の事もですか!?」
 その言葉を聞いた三影は視線を上げて彼を見た。
「知っていたのか」
「当然です。今回の作戦は私が総括しているのですからね」
「そうか。そして俺もその下にいる」
「その通りです。ならば何故勝手な行動を・・・・・・」
「待機、か。だが別に作戦行動に支障がなければ構わないだろう。俺とてじっとしているだけでは身体がなまる」
「クッ・・・・・・」
 ヤマアラシロイドはその言葉に歯軋りした。
「まあ俺はこれからは自分の部屋でゆっくりさせてもらう。後は御前が好きにすればいい」
 そう言うと踵を返した。
「お待ちなさい」
 ヤマアラシロイドは彼を呼び止めた。
「何だ?」
 三影は振り向いた。
「記憶の事を言ったのですか!?」
 彼は三影を睨み付けて問うた。
「少しだけな」
 彼は答えた。
「俺のこととあいつの姉が死んだことだけだ。安心しろ、記憶を戻してはいない」
「それは何より」
 彼はそれを聞いて口の両端を吊り上げて笑った。
「あれは私の切り札ですからね。そうおいそれと使ってもらっては困ります」
「切り札か。また何か企んでいるようだな」
「企んでいる!?それは言葉が悪い」
 彼は三影の言葉に対してうそぶいた。
「策です。作戦を成功させる為のね」
「そうか」
 彼はそれを聞くと再び踵を返した。
「見ていなさい、私のやり方を」
 ヤマアラシロイドは三影の背に対して言葉をかけた。
「そうさせてもらうか」
 彼はそれに対し振り向かず答えた。
「だが油断するなよ。策は一つでも漏れがあるならばそこから崩れ落ちる」
「それはご心配なく。私に限ってはね」
 ヤマアラシロイドはその禍々しい笑みをったえたまま言った。
「ではそうさせてもらうか」
 三影はそう言うと指令室を後にした。ヤマアラシロイドはそれを赤い眼で見送っていた。

「大分感情のほうは豊かになっているな」
 食事から帰り屋敷に入った伊藤博士は村雨に対して言った。
「そうか?」
 村雨はまだ実感がないようである。
「うん。君が心を取り戻しはじめた時と比べるとな」
 博士はそんな彼に対して笑顔で答えた。
「思えばあの時ライダー達の攻撃を受けたのが全ての始まりか。本当にわからないものだな」 
 彼は感慨深そうに言った。
「実はね、私はその直前まで絶望していたんだ」
「絶望!?」
「そうだ、世界がこのままバダンにより滅ぼされてしまうのではないかとね」
「滅ぼされるのか」
「そうだ、滅ぼされるのだ」
 博士は強い口調で言った。
「彼等が世界を征服したらその全てが彼等のものになる。彼等は自分達に従わない者や好ましくない者を次々に粛清していくだろう。それは暗黒の世界
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