記憶の欠片
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
一つだけ教えてやろう」
彼は村雨を見て言った。
「・・・・・・死んだ、もうこの世にはいない」
「何っ!?」
村雨はその言葉に驚愕した。
「聞こえなかったのか。死んだと言ってるんだ」
「死んでいるのか・・・・・・」
「そうだ、残念だがな」
彼は村雨を冷たい目で見て言った。
「これでいいか」
彼は立ち去ろうとする。
「次に会う時には返答を帰聞こう」
「待ってくれ」
村雨は三影を呼び止めた。
「何だ!?」
三影はそれに反応した。
「聞きたい、俺の姉さんは何処でどうして死んだんだ!?」
彼は三影に訪ねた。
「・・・・・・それは自分で調べるんだな。伊藤博士にでも聞いて」
彼はそう言うと踵を返した。
「待てっ、答えろ!」
「・・・・・・そこまで教える程俺はお人よしじゃない」
彼はそう言ってその場を立ち去った。後には呆然とする村雨だけが残された。
伊藤博士はこの時城南大学にいた。海堂博士や志度博士と共にライダーの身体やマシンについての研究を行なっていた。
その時彼の携帯に電話が入った。
「おや良君からか」
彼は海堂博士の研究室から出ると携帯に出た。
「良君、どうしたんだい?」
彼は村雨に尋ねた。
「博士、聞きたい事がある」
彼は言った。
「今自宅に戻ったところだ。俺の姉さんについて聞きたい」
「・・・・・・わかった」
博士は答えた。何があったのか大体察しはついた。すぐに大学を後にして村雨の家へ向かった。
屋敷に着いた。中に入る。村雨はそこにいた。
「・・・・・・何かあったようだね」
博士は村雨の様子を見て言った。
「今日横須賀へ行って来た」
彼は抑揚の無い声で言った。
「そしてそこで何かがあったというのだね」
博士は彼の顔を見ながら尋ねた。
「ああ。三影に会った」
「そうか、彼にか」
博士はその名を聞いて言った。
「彼は君に何を言ったんだ?」
「まず俺に自分の右目を見せた。この目は俺を助けた時に失くしたものだと」
「そうだ。訓練の時にな」
「それも聞いた。俺はバダンの幹部候補生だったと聞いた」
「そうだ。君は記憶と感情を消されバダンで訓練を受けていたのだ。兵器となるべくな」
「それもだ。そしてあの男は俺にバダンに戻れと誘った」
「それでどうしたのだね!?」
博士はそんな彼を見ながら尋ねた。
「俺がバダンへの忠誠を誓ったのを思い出せと言われた。だが俺はそれも知らない。答えようがなかった」
「そうか、あの男その事までも・・・・・・」
博士はそれを聞いて顔を暗くさせた。
「俺は本当にそんな事をしたのか?」
「・・・・・・・・・そうだ」
博士は顔を俯けて答えた。
「君は記憶と感情を消された後その誓いをさせられたのだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ