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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
失われた記憶
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俺は喜んでバダンと戦う」
「・・・・・・・・・いいのだね」
 伊藤博士は彼に対して言った。
「ああ。出来るのか?」
「序々にね。少しずつだが」
「一度には出来ないのか」
「私はその技術を持ってはいない。無論彼等もライダー達も」
 伊藤博士は二人の友人の方を見て言った。彼等もそれに対して頷いた。
「あの技術はバダンしか持ってはいない。あれは悪魔の技術だ」
 伊藤博士はそう言って顔を曇らせた。
「人を人でなくする。そして君は一度は兵器になったのだ」
「そうか・・・・・・」
 村雨は頷いた。そこに抵抗や反発は無かった。
「記憶は必ず取り戻す。だが少しずつだ。そして君は一歩ずつ人間になっていくのだ」
「これまで通りか」
「そうだ、これまで通り。君は既に人間だ。しかし本当の意味でまだ人間ではないんだ」
「愛を知らないからか」
「そうだ」
 博士はその言葉に頷いた。
「ライダー達は愛を知っている。だからこそ本当の意味での戦士なんだ。彼等はどんな身体であろうとも人間だ。人間は身体や姿じゃないんだ。心を、慈しむ心を知っているからこそ人間なんだ」
「俺はまだ完全にそれを持ってはいないということか」
「残念だが。それを少しずつ手に入れていけばいい。記憶と共にな。それでいいかな」
「ああ。俺に異存は無い」
 村雨はそう言うと頷いた。
「よし、ならば私と共に行こう。そしてバダンと戦おう」
「ああ」
 村雨と博士はそう言うと立ち上がった。そして研究室を後にした。
「行って来るよ」
 博士は部屋を出る時二人に対して言った。
「ああ、何かあったらすぐに連絡してくれ」
 二人はそれに対し答えた。そして村雨と博士は新たに旅立った。

 二人は湘南にやって来た。そして海辺の洋館に辿り着いた。
「ここは」
 村雨は博士に問うた。
「かって君が住んでいた家だ。今は誰もいないが」
 中は誰もいなかった。だが綺麗に掃除され塵一つ無かった。
「事前に業者に掃除を頼んでおいたんだよ。すぐにここに暮らせるようにね」
「そうか、有り難う」
 彼は博士に対して言った。
「記憶を取り戻すには昔の家に住むのが一番いいと思ってね。ここにいると少しずつ思い出すだろう」
 村雨は屋敷の中を見た。何処かで見たような気がした。
「不思議だな。全く知らない場所なのに」
 村雨はポツリと言った。
「それはそうさ、前に住んでいた家なんだから」
 博士は微笑んで言った。
「暫くここに住んでいるといい。そうすれば記憶を取り戻して来る筈だ」
「そうか」
「君の部屋は上にある。一番いい部屋にしておいたよ」
「どんな部屋だ?」
「行ってみるといい」
「わかった」
 博士に促され村雨は二階へ上がった。そしてその部屋に入った。
 そこは海が
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