拳砕ける時
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。だがそれをスーパー1の右拳が襲った。
二つの拳が正面からぶつかり合った。衝撃が巻き起こる。
敗れたのはアメンバロイドであった。彼の左拳は砕かれてしまった。
「この程度!」
しかしそのダメージに全く怯みところはない。すかさず左の回し蹴りを出す。
スーパー1はそれを後ろに跳んでかわした。着地と同時に彼は上へ大きく跳んだ。
「スーパーライダァーーーーー旋風キィーーーーーーック!」
空中で型を取りながら蹴りを出す。それは赤心小林拳の型であった。
速い、その蹴りはあまりにも速かった。それはさしものアメンバロイドにも見切れるものではなかった。
蹴りが胸を直撃した。そして彼は吹き飛ばされた。
「グググ・・・・・・」
それでも彼は立ち上がった。恐るべき執念である。
「怖ろしい速さだな。この俺が見切れぬとは」
彼は人間の姿に戻りながら言った。口から赤い血が零れ出る。
「だが急所はほんの僅かに外したようだな。心臓を狙ったというのに」
スーパー1は彼に対して言った。
「それでも致命傷を受けてしまった。この勝負は俺の負けだ」
彼は潔く敗北を認めた。
「素晴らしい拳だった。貴様の名は忘れん」
「フフフ、それは光栄だな」
彼はその言葉を聞いて満足気に笑った。
「だが俺はここで死ぬわけではない。いずれまた貴様の前に現われる。その時を楽しみにしておけ」
そう言うと姿を消した。
「格闘家達は青葉城にいる。そこに解放しておこう」
遠くから声がしてきた。
「また会おう、スーパー1」
気配は消え去った。こうして仙台での戦いは幕を下ろした。
青葉城は伊達政宗が建てた城である。本当の名を仙台城というが緑が美しいことから青葉城と呼ばれる。
この城には伊達政宗の像がある。鎧兜に身を包み馬に乗っている。
「政宗公も事件の解決を喜んでくれてますかね」
格闘家達を救い出した後チョロは伊達政宗の像を見上げて言った。
「さあな。けれど自分が開いた街に平和が戻ってホッとしているのは事実だろうな」
沖はそんな彼に対して言った。
「何かアッという間に終わっちゃいましたね」
「おいおい、俺にとっちゃあかなり長くて辛い戦いだったぞ」
沖はそんなチョロに対して苦笑して言った。
「あのアメンバロイドって奴もかなり手強かったしな。一歩間違えれば俺のほうがやられてたし」
「そうでしたね、確かにあいつは強かった」
「だけど今回は俺が勝った。けれど油断したら次にやられるのは俺かもしれない」
沖はそう言うと深刻な顔になった。
「一也さん、そんな事考えちゃ駄目ですよ」
チョロはそんな彼を窘めた。
「ライダーは絶対に負けちゃいけない、いつもそう言っているのは一也さんじゃないですか。そんな事言ってたら本当に負けち
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