拳砕ける時
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けるんですか?」
「そのつもりだけど」
沖は毅然とした顔で頷いて言った。チョロはその様子に溜息をついた。
「もう一度言いますけれど絶対に止めた方がいいですよ」
「不意打ちを仕掛けて来るからかい?」
「ええ。連中はドグマの頃から手段を選びませんから」
「確かにな。俺もそれでかなり苦しめられた」
「でしょう!?だったら何で受けようなんて思うんですか」
「・・・・・・俺が拳法家だからと言ったら駄目かな」
「それは・・・・・・」
チョロはこの時大切な事を忘れていた。彼はライダーであると共に拳法家であったのだ。
国際宇宙開発研究所を破壊された後彼は赤心小林拳を学び再び立ち上がったのだ。そしてそれから人としての在り方、戦士としての心、そして愛を知ったのだ。
「奴は拳法家として俺に勝負を申し込んできた。ならば俺も拳法家としてその申し出を受けたい。そして闘いたいんだ」
「・・・・・・・・・」
チョロは沖の目を見た。強い決意の色が宿っている。
それを見て彼も決めた。もう止めなかった。
「わかりました、一也さんの好きなようにして下さい。俺はもう止めません」
「有り難う」
沖はその言葉を聞いて微笑んだ。
「ところで一つ頼みたい事があるんだけれど」
「?何ですか」
「果し合いの立会人はこっちで選んでくれ、って言われてるんだ。悪いけれど来てくれないかな」
「ええ〜〜〜〜〜っ!」
その話に再び驚くチョロであった。
「何っ、決闘だと!?」
暗闇大使は基地のモニター越しに報告を聞き思わず声をあげた。
「はい。一対一の」
アメンバロイドはそれとは正反対に落ち着き払った声で言った。
「馬鹿な、一体何を考えておるのだ」
「至って冷静ですが」
「そんな事を言っているのではない、何故ライダーを策に陥れようとせんのだ!」
「策ですか?必要ならば使いますが」
彼はそう言うと不敵に笑った。
「今は必要ありません故。ただ倒すだけですから」
「ほほう、またえらく自信がありそうだな」
暗闇大使はそんな彼を見ていささか皮肉を交えて言った。
「当然です。私を誰だと思っているのですか」
彼はその皮肉を受け流して言った。
「ふむ・・・・・・」
暗闇大使もそんな彼の様子を見て考えを変えた。
「それではそなたに任せるか。良かろう、スーパー1の首、見事挙げて来るがいい」
「ハッ」
「よいな、必ず倒してくるのだぞ」
「それは御心配無く」
暗闇大使はモニターから姿を消した。アメンバロイドはそれを自信に満ちた顔で見送った。
「相変わらずいささか落ち着きが足らぬ方だな。それさえなければ完璧だが」
彼はそう言うと微かに微笑んだ。
「まあそれがかえって良いのだが。あの方の魅力と言うべきか」
苦笑して言った。
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