拳砕ける時
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ゃいますよ」
「そうか、そうだったね」
彼はそれを聞いて笑みを取り戻した。
「バダンとの戦いはまだまだ続くしな。暗くなってる暇はないな」
「そうですよ。とりあえず東京に帰って次の戦いに備えましょう」
「ああ、そうだな」
「けどその前に牛タンをもう一度」
「おいおい、またそれか」
こうして二人は仙台を後にした。
東京に戻った彼はすぐに城南大学に呼び出された。校門をくぐり改造室の控え室に入った。
「おやっさん、一体どうしたんですか?」
沖は部屋に入ると谷を見つけて声をかけた。
「立花のおやっさんや先輩達まで。皆揃うなんてどうしたんですか?」
見ればどの者の顔も強張っている。まるで見てはいけないものを見てしまったかのように。
「一也、これを見てくれ」
谷は奥にかけられている数枚の紙を指差して言った。
それはレントゲン写真だった。だが普通のレントゲン写真ではなかった。
「これは・・・・・・」
そこに映っていたのは人の身体ではあったが人のものではなかった。骨格は人のものではなかったのだ。
そこに映る骨格は機械であった。内臓も全てが機械であった。
「俺達のうちの誰かも写真ですか?」
沖はそれを見て谷に問うた。
「沖もそう思ったか」
筑波が言った。
「ええ。他に誰がいるというんです?」
沖は不思議そうな顔をして言った。
「・・・・・・沖、あれを見てくれ」
本郷が改造室が見える窓を手で指し示して言った。
「あれ、あそこにいるのは・・・・・・」
そこには一人の筋肉質の青年が横たえられていた。上半身は裸で下は白いスラックスである。
「見た事のない青年ですね。一体誰ですか?」
「・・・・・・この写真の被写体だよ」
谷は顔を俯けて言った。
「えっ、じゃあ・・・・・・」
沖はその言葉に声を失った。
「そうだ、彼もまた改造人間だ」
本郷は沖に問いきかす様な口調で言った。
「改造人間!?しかし一体誰が・・・・・・」
「それは私が説明しよう」
その時部屋に一人の男が入って来た。
「貴方は・・・・・・」
そこには眼鏡をかけた壮年の男がいた。白衣を着ている。
「伊藤博士。私の古くからの友人だ」
海堂博士が入って来た。志度博士も一緒である」
「沖君も聞いた事がある筈だ」
「ええ、確か物理学の権威でしたよね。他にも多くの分野で業績を残している」
沖は海堂博士の言葉に対して答えた。
「そうだ。そして暫く消息を絶っていたのも知っているね」
「はい、南米で飛行機事故に遭ったと。今ここにおられるので正直驚いているのですが」
「その詳細についてこれから話したいんだが」
伊藤博士は静かな声で言った。
「皆、いいかね?」
「はい」
ライダーと立花、谷達はその
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