氷の空に舞う翼
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たいだな」
彼は言った。がんがんじいはその言葉について尋ねた。
「それは?」
「おそらく鳥の改造人間だな。多分空も飛べるんだろう」
「空でっか」
がんがんじいはそう言うと上を見上げた。青く澄んだ空である。
「ああ。望むところだ。空なら俺の庭場だからな」
彼も空を見上げた。そこに戦いの場を見ていた。
二人は次の日も捜査を続けた。やがて怪しげな一団を見つけた。二人はそれを認めると身を隠した。
「またいますな」
「ああ、また俺達を探しているんだろう」
「そう、その通りだ」
その一団のうちの一人が言った。
「何っ!?」
筑波もがんがんじいもその言葉に驚いた。人には聞こえない筈の距離なのに。
「俺を甘く見るなよ。これ位の距離ならよおく聞こえるぜ」
そこにいるのは銀の髪に褐色の肌を持つ男である。整った目は黒い。青い上着に白いズボンを身に着けている。山にいるとは思えない軽装である。
「出て来な。相手をしてやるよ」
彼は筑波達の方へ顔を向けて言った。二人はその言葉に従い姿を現わした。
「感謝するぜ。俺の言葉通り出て来てくれてな」
彼はそう言って微笑んだ。
「まずは名乗ろうか。俺はマオイ=デ=カナム。人間だった頃はオーストラリアにいた。所謂アボリジニーってやつだ」
アボリジニーとはオーストラリアの先住民である。
「人間だった、か。今は違うというのだな」
筑波は彼を見据えて言った。
「ああ、その通りだ。今はバダンの改造人間さ」
彼はニヤリ、と笑った。
「タカロイド。それが今の俺さ」
「タカロイド・・・・・・。それでは昨日の羽根は貴様のものか」
「その通り。秘密を知られるわけにはいかなかったものでね。口封じってやつだ」
「だが生憎だったな。あの羽根でここにいる改造人間のタイプがわかった」
「それは迂闊だったな。しかしどの道あんた等はここで死ぬんだから構わないだろ。こう言っちまうとあいつを始末した意味も無くなっちまうけれどな」
彼はシニカルに笑ってそう言った。
その言葉と共に彼の周りにいる男達が服を脱ぎ捨てた。戦闘員達が現われた。
そして筑波達を取り囲む。タカロイドはそれを見て笑っている。
「挨拶はこれ位にしておくか。死にな」
その言葉が号令となった。戦闘員達が一斉に襲い掛かる。
二人は拳を振るった。そして戦闘員達を倒していく。
筑波もがんがんじいも伊達に今まで多くの戦いを潜り抜けてきたわけではない。棒を手にする戦闘員達を寄せ付けない。
逆に棒を奪った。そしてそれで戦闘員達を打ちのめしていく。
「へえ、やっぱり強いね。じゃあこっちも本気を出すか」
タカロイドは二人を見て言った。そして両腕を胸のところでクロスさせた。
背中から翼が出た。そして顔が羽毛に覆わ
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