氷の空に舞う翼
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「そうでっしゃろ。ここは地道に二人で歩いて探しませんか?」
「う〜〜〜〜ん、そうだなあ」
筑波はその言葉を聞いて考え込んだ。
「そうしてみるか。連中も俺達の姿が見えないと逆に俺達を捜して偵察隊とかを出して来るだろうし」
「そうそう、そしてそこを叩いて連中の情報を聞き出せばええですやん」
「よし、そうしよう」
二人はこれからの捜査のやり方を決定した。そして翌日早速それを実行に移した。
それから三日後だった。二人は辺りを探る不審な一団に気付いた。二人はそれを認めると岩陰に隠れた。
「あれでっしゃろか」
がんがんじいは筑波に尋ねた。
「多分な。やはりかなり気になっていたみたいだな」
筑波はその不審な連中を見ながら答えた。
「がんがんじいは右に回ってくれ。俺は左に行く」
「へい」
がんがんじいは筑波の言葉通りに動いた。
「気をつけてくれよ。今は鎧を着ていないんだからな」
「はい」
彼はそう答えると右の岩山に消えた。
「この辺りの筈だが」
その男達は辺りを探りながら前へ進んでいる。一見登山者風だがその目付きが彼等がそうではないことを教えている。
彼等は二つの大きな岩の間に来た。その時だった。
「ムッ!?」
右からがんがんじい、左から筑波が現われた。そして彼等を瞬く間に倒していく。
「クッ、しまった!」
彼等も応戦しようとする。だが不意を衝かれ対応が取れない。一方的にやられていく。
「バダンだな」
筑波は残った最後の一人の後ろに回りその首を絞めながら問うた。
「グググ・・・・・・」
彼は答えようとしない。だがそれはもうわかっていることだ。
「言え、この地で一体何をしようとしている」
筑波は問い詰めた。喋れるようにきつくは締めていない。
「言えば命だけは助けてやる。さあ言え」
命、という言葉に彼は反応した。
「本当か!?」
「俺達はバダンとは違う、約束は守る」
筑波は言った。
「そうか、それなら・・・・・・」
彼は言おうとした。しかしそれは出来なかった。
その時何処からか何かが飛んで来た。そして男の胸を打った。
「ガハッ・・・・・・!」
「ムッ!」
それは鳥の羽根だった。それもかなり大きいものだ。
羽根は男の胸を貫いていた。どうやら心臓を貫かれたらしい。男は即死していた。
「口封じでんな。奴等の常套手段や」
がんがんじいはそれを見て忌々しげに言った。
「ああ。これでふりだしに戻りか」
筑波は男の胸からその羽根を抜き取り舌打ちした。
「・・・・・・しかし大きな羽根だな。こんな大きな羽根は見た事が無いぞ」
彼はその茶色の羽根を見ながら言った。どうやら何かしらの猛禽類の羽根らしい。
「どうやらここにいる改造人間のタイプだけはわかったみ
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