氷の空に舞う翼
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ルミは残った。自分の考えで残った。何故か自分は行ってはいけないと思ったからだ。
結城が案内したのは改造室を下に見る部屋だった。そこから改造の検査や指示を行なうのだ。
「おお、皆来てくれたか」
そこには海堂博士がいた。志度博士も一緒である。
「博士、一体どうしたんですか」
一文字が尋ねた。二人はその問いに表情を暗くさせた。
「君達に会って欲しい人がいるんだ」
海堂博士はそう言うと部屋の奥の扉を手で指し示した。するとそこから一人の白衣の男性が現われた。
「貴方は・・・・・・伊藤博士じゃないですか」
風見はその人物の顔を見て言った。かって城南大学で細菌研究に従事していた彼はその博士の顔を知っていたのだ。
「久し振りだね、風見君」
伊藤博士は風見の顔を認めると微笑んで言った。
「本郷君や城君もいるな。君達の活躍は聞いているよ」
「はい」
彼は本郷とも面識があった。共にある研究に従事していたこともある。
城は彼の講義を受けていたことがある。もっとも講義は寝てばかりであったようだが。
「そして貴方の事も。立花さん、またお会いしましたね」
立花に顔を向けて言った。
「ええ。あの時はまさかこんなところでお会いするとは思いませんでしたよ」
立花は彼に対して言った。
「私もですよ。二人に話を聞いて貴方があの立花藤兵衛と知った時は本当に驚きました」
「おや、そうですか。わしも有名になったもんですなあ」
立花は笑って言った。
「そう、おやっさんは確かに有名人ですからね」
一文字がそこで口を挟んだ。
「そう歴代の組織にとっては俺達ライダーの協力者として目障りな存在だったのだし」
神も言った。その言葉に一同気を張り詰めた。
「そういやそうだったな。おやっさんが命を狙われたことなんかしょっちゅうだったし」
城が言った。彼のこの言葉に一同は思い当たった。
「おやっさんの事を知っているとは。博士、貴方まさか」
風見が博士を見て言った。博士はそれに対し口を開こうとする。
「それは私が言おう」
志度博士が口を開いた。
「伊藤君にとっても自分で話すのはあまり気分がいいものではないだろうし。伊藤君、それでいいかな」
「話してくれるか、申し訳ない」
伊藤博士は友の申し出に感謝の意を述べた。
「伊藤君は今までバダンに捉われていたんだ。彼の頭脳に目をつけた連中に拉致されてね」
「やはり。連中のやりそうなことだ」
一文字が眉を顰めた。それは他の者も同じだった。
「そしてバダンの行いに我慢出来なく遂に組織を脱出したんだ。一人の青年と共に」
「青年?それは今何処にいる?」
アマゾンがそれに対し問うた。
「そこにいるよ。見たまえ」
志度博士はそう言うと下にある改造室を指差した。
改造
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