氷の空に舞う翼
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場所だろうな」
立花は二人、いやそこにいる五人に言った。
彼等はライダーになりたくてなったのではない。少なくとも最初は。風見とて肉親の死が無ければ改造人間になろうとは思いもしなかったであろう。
しかし改造手術を受けライダーとなった。機械の身体となったのである。
その苦悩は果てしなかった。だが悪と戦う為それを心の奥底に封印しているのだ。
本心では改造手術なぞ受けたくはない。だが悪と戦いそれを討ち滅ぼす為にはどうしても必要だったのだ。
「・・・・・・・・・」
彼等は何も語らない。そんな彼等に対し立花は強い、それでいて優しい声で言った。
「だけどな、御前達の決意があるからこそこの世界は悪に支配されずにすんでいるんだ。それだけは忘れないでくれよ」
「はい・・・・・・・・・」
彼等はその言葉に頷いた。ライダー達のことを誰よりもよく知る立花の言葉だけに心に響くものがあった。
「ところで結城さんは?」
神が尋ねた。
「海堂博士達のところへ行っている。何かの手伝いをしているらしい」
風見が言った。
「そうですか。あの人も何かと忙しいですね」
その時扉が開いた。
「ガウッ?」
アマゾンがそちらへ顔を向けた。そこには彼等が見知った男がいた。
「おやっさん、たった今戻りましたよ」
城茂であった。ルミも一緒である。
「おう、戻ったか。その分だと大阪の方はカタがついたみたいだな」
「ええ。中々手強い奴でしたけどね」
城はそう言うと部屋に入って来た。
「まさかここに来ているとはね。正直驚きましたよ」
「ああ、海堂博士達のことが気になってな」
「というと伊藤博士とも何か関係が?」
本郷が尋ねた。
「ああ。博士と一緒にいる男のことでな」
立花はそう言うと目を光らせた。
「一緒にいる男!?」
風見以外のその場にいるライダー達が思わず声をあげた。
「そうだ。実は大柄でやけにたくましい男が一緒にいるんだがな」
「その男が何か?」
神が目を光らせた。
「それについてはこっちへ来てくれ」
そこに結城が入って来た。
「結城」
風見が彼の方へ顔を向ける。他のライダー達もそれに続く。
「実は皆に見て欲しいものがある」
その顔は仮面の様に動かない。まるで見てはいけないものを見てしまったかのように。
「おい、どうしたんだ一体」
「いつもの結城さんらしくない」
一文字とアマゾンが彼の様子を変に思い言った。
「ちょっと来てくれ」
結城はそれに答えず同志である六人のライダー達に言った。
「・・・・・・何か重大なことらしいな」
本郷は彼の表情と様子を見て言った。
「よし、行こう。一体何処だ」
「こちらです」
結城はライダー達を連れて外に出た。立花も一緒である。
しかし
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