暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
氷の空に舞う翼
[19/20]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
か」
 そこにいたのは三影だった。役を不敵に見下ろしながらそう言った。
「言ってくれますね。追って来たのはそちらでしょうに」
「ふ、確かにな」
 彼は懐から煙草を取り出しそれに火を点けながら言った。
「それが何かは知らんが気になる。大人しく渡してもらおうか」
「生憎ですが貴方達には無用の長物ですよ」
「しかし貴様等にとってはなくてはならないものだろう。渡してもらう理由はそれで充分だ」
「随分強引な理論ですね」
「それがバダンだ。理屈なぞ要らん、力さえあればいいいのだ」
 彼はそう言うと下に跳び下りて来た。
「だが安心しろ。俺は他の多くの連中とは違う。約束は守る。だからそれを渡せば今日は御前の命を預けておく」
「今日は、ですか。随分と自信がおありで」
「俺はバダンの中でも選び抜かれた男、俺に適う者は一人を除いていない」
 彼はそこで口調を微妙に濡らした。
「そう、一人を除いてな」
 サングラスの奥の目が光ったように感じた。だが役はそれに気付きながらもあえて黙っていた。
(どうやら複雑な事情があるようですね)
 三影は下に下りただけでこちらに近付いては来ない。ただ立っているだけである。
「さて、返答を聞かせてもらおうか。渡すのか、渡さないのか」
「それはもう決まっています」
「では聞かせてくれ」
「ノー、です」
 彼は微笑んで言った。顔は笑っていたが声は笑ってはいなかった。
「そうか」
 三影はその返答を聞くとサングラスを外した。
 その左眼は普通の人間の眼であった。だが右眼は違っていた。
 感情の無い機械の眼である。それが役を睨んでいた。
「消えろ」
 彼は一言そう言った。すると肩から何かを発射した。
「ムッ!?」
 それは砲弾だった。次々と役めがけ放ってくる。
 役は跳んだ。だがそれは三影も予想していた。空中めがけ砲撃を続ける。
 爆発が役の身体を包んだ。そして彼はその中に消えた。
「素直に渡していればいいものを」
 三影は爆発が消え去るのを見ながら言った。そしてサングラスを再びかけようとする。その時だった。
「ムッ!?」
 気配を察した。その気配は遥か遠くへ去って行く。
「逃げたか。どうやって逃れたかは知らないが」
 彼はサングラスをかけず手に持ってその気配がした方を見た。その向こうあの男は行った。
「やってくれるな。どうやらライダーだけではないらしい」 
 踵を返した。そして階段を降りて行く。
「次はこうはいかん。手加減はしないぞ」
 彼はそう言うと街の中へ消えて行った。それを遠くから見る男がいた。
「ふう、危ないところでしたね」
 それは役だった。あるビルの上で何処から取り出したのか水晶から彼を見ている。
「ですがこれで失われたものが戻りますね」
 彼は水晶に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ