氷の空に舞う翼
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滝が竜に替わって言った。
「そうです。バダンの報告を受けて日本にやって来ました。よろしくお願いします」
竜は微笑んで彼等に挨拶した。
「金沢では結城さんと一緒に行動させてもらいました。そしてこちらにやって来たのです」
「おいらも忘れないでくれよ。折角久し振りに日本に来たんだし」
モグラ獣人もひょっこりと姿を現わした。ライダー達を脇で支えた男達が勢揃いしたのだ。
「あれっ、健と役がいねえな」
「二人は別行動です。佐久間君はルミちゃんを迎えに行ってますよ」
ふと気付いた滝に竜が言った。
「それで役の奴は単独で捜査、か。それにしてもあいつもあれで独自行動が好きだな」
「滝君は人の事言えないですね」
そこで先輩がきつい一言を出した。
「まあそうですけどね。ただあいつは急にいなくなる事が多いんですよね」
「そういえばそうだなあ。さっきまでカウンターにいたかと思ったらすぐいなくなるし何時の間にか店にいたりするし。何処か行動が掴み所が無いんだよなあ」
史郎が首を傾げながら言った。
「まあバダンの奴やなかったらええですやん。ワイ等の仲間やのは確かやし」
がんがんじいがそんな史郎に対して言った。
「そうだな。少なくとも御前よりは落ち着いてるし」
「あっ、滝さんそりゃあ酷いですよ」
痛いところを疲れた彼は困った顔をして言い返した。彼等は和やかな雰囲気で束の間の休息を楽しんでいた。
その時役は新宿にいた。ビル街が入り組んだ街中を歩いていた。
彼は走っていた。まるで何かから逃れるように。
街を歩く人々はそんな彼に目もくれない。ただ何かしらの用事で急いでいるとしか思っていないのだ。
ビルの路地裏に入った。そしてその中を進む。
上から何かが跳んで来た。それを察した役は懐からサイレンサーを着けた拳銃を取り出しその何かへ向けて発砲した。
重いものが落ちる音がした。生物なら水分を多量に含んだものが落ちる音がしただろう。しかしその落ちた音は鉄の音であった。次に電気がバチバチと鳴る音がした。
それはバダンの戦闘員であった。前からも来た。
役はその戦闘員にも発砲した。戦闘員は攻撃を仕掛ける暇も無く倒れた。
右のビルの扉に入った。そして上へと続く階段を昇って行く。
屋上に出た。もう戦闘員は追って来ない。上手く振り切ったようだ。
「ここならもう大丈夫だな」
彼はそう言うと懐から何かを取り出した。それは緑の丸い石だった。
「ほう、面白いものを持っているな」
その時何処からか声がした。
「そこかっ」
役は自分が昇って来た階段の入口の上へ向けて発砲した。
だが弾丸は弾き返された。そこにいた男が素手でそれを弾いたのだ。
「インターポールは礼儀作法がなってないな。こんな挨拶がマニュアルにあるの
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