氷の空に舞う翼
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っているようだ。
「どうやらあんたを倒すのはそうそう簡単にはいかないようだな。今日はこれ位にしておこう」
そう言うと間合いを離し上へ飛び上がった。
「クッ、待て!」
スカイライダーはそれを追おうとする。だがタカロイドはそれを振り切るかのように上空へ飛び去った。
「速いな、何という翼の動きだ」
ライダーは怪人が消えた方を見て思わず呟いた。後には蒼い空が拡がっていた。
「逃げられたんは残念でしたな」
戦いが終わり筑波とがんがんじいはテントの中で夕食を採っていた。
「ああ。だが怪人のタイプもわかったし収穫はあったな」
筑波は乾パンを食べながら言った。
「空を飛ぶ怪人でっか。それでしたら洋さんにとっては別に苦にはなりませんな」
「そうともばかり言えない。あいつの飛翔能力はかなり高いぞ」
筑波はがんがんじいの言葉に対して首を横に振って言った。
「それに空からの奇襲はライダーになっていない時には対処が難しい。例えば今襲われたらどうだ」
「そ、それはかなり怖いでんな」
がんがんじいは筑波の言葉に顔を振るわせた。
「だろう。まして今はこんなちっぽけなテントだ。襲われたらひとたまりも無い」
「確かに。あいつ爆弾まで使いますからなあ」
「まあ夜は心配無いだろうけれど。あいつはタカの改造人間だし。いや、改造されているから一概にそうとは言えないか」
「そうでんな。バダンがそんなとこ見逃すとは思えませんし」
「これからは交代で見張りをしよう。何時奴等が来てもすぐに対処出来るように」
「はい」
こうして二人は交代で見張りをするようになった。一人がテントの外で見張りもう一人が中で休む。そうして夜の間は見張りをしていた。
「成程ねえ。考えたものだ」
それを離れた空の上から見ている者がいた。
「俺の目が改造されている事も感付いていたか。やっぱり切れる奴みたいだな」
タカロイドである。人間態で背中から翼を生やしている。
「まあこうでなくちゃあ面白くはない。楽しませてもらうとするか」
彼はそう言うとその場を飛び去った。後には風だけが残った。
翌日筑波とがんがんじいは捜査を続けた。だが手懸かりは得られなかった。
「昨日の事で警戒しているな。上手く隠れている」
夕刻になった。筑波は沈もうとする夕陽を見ながら言った。
「ええ。それにどっかからワイ等を見ているみたいでんな」
がんがんじいは空を見上げて言った。
「多分な。だがそれは仕方無い」
筑波は夕陽から目を離して言った。
「今日はもう休むか」
「えっ、もうでっか!?」
がんがんじいは筑波の言葉に驚いた。彼はいつも夜になってもまだ捜査をしようと言うのに。
「ああ。今日はもう見つけられそうにもないしな」
「はあ、そうでっか」
呆気に取
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