暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
氷の空に舞う翼
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室のようである。ところどころにフラスコや実験用の器具が置かれている。
 暗闇大使はそこで誰かを呼んだ。すぐに彼の後ろに何者かが表われた。
「お呼びですか、暗闇大使」
 それはあの黒服を着た白人の壮年の男であった。慇懃な態度で口元に穏やかな笑みを浮かべている。
「ゼクロスの行方はわかったか」
 暗闇大使は目だけで彼を見て尋ねた。
「はい。どうやら東京にいるようです」
 彼は静かな口調で言った。
「そうか。東京か」
 暗闇大使はそれを聞いて目を少し光らせた。
「今あの地には誰もいなかったな」
「はい。時折戦闘員達を送り込んでおりますが」
「そうか。しかしあの地に戦闘員達だけではやはり心もとないな」
「そうですね。今関東には我等の作戦を妨害したライダー達が次々と戻って来ておりますから」
「それはわしも聞いている。ストロンガーも戻って来たそうだな」
 暗闇大使は男から目を離して言った。
「ご存知でしたか」
「うむ。ドクガロイドが戻って来たしな。すぐに再改造に入らせた」
「それは私も聞いています。何でも超電子の力を長時間使えるようになっていたとか」
「あの力を長い間使えるようになるとはな。厄介だな」
「はい。しかしそれよりも東京には・・・・・・」
「わかっている。話が最初に戻るな」
 暗闇大使は目を再び男へ向けた。
「ゼクロスをどうするかだ。伊藤博士はどうやら自分のかっての友人達にあの男を見せたいようだな」
「海堂博士や志度博士に、ですか」
「そうだ。だからこそ東京へ向かっているのだろう。さもないとあの場所へ行く筈がない」
「と、なれば城南大学ですか」
「おそらくな。だが気をつけたほうがいいな、あの大学には」
「そうですね。緑川博士の例もありますし」
 緑川博士とは城南大学において生化学の権威であった人物である。本郷の師であり伊藤博士や海堂博士達とは先輩、後輩の間柄である。穏やかな人格者として知られていたがショッカーに脅迫されやむをえなく協力していた。そして本郷を仮面ライダーに改造した。だが良心の呵責に耐えられなくなった彼は本郷を救出し彼と共にショッカーの基地を脱出した。
しかしその途中でショッカーの刺客くも男に殺されてしまう。
 彼等以外にもこの大学はライダー達と何かと縁がある。風見志郎や城茂はこの大学にいたしライダー達がしょっちゅう出入りしている。彼等にとって鬼門の一つなのだ。
「あの大学にライダー達が集結している可能性もある。いや、おそらく少なくとも二人はいるだろう」
「二人、ですか」
 男はその言葉に眉を顰めた。
「立花藤兵衛や滝和也もいる。このままではゼクロスは奴等の手に落ちてしまうだろう」
「そうなるとまずいことになりますね」
「ああ。これまでそれで多くのライダーを敵に回してるからな
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