第十三話 何故かこの地にその九
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だった。
「そのうえでそれぞれの内面を確かめる。いいな」
「うわ、とんでもない方向に話がいってるし」
「何か今までで一番嫌な話の方向に」
「ずっと正座なんて」
「いや、正座はしない」
それはないのだという。
「座禅独自の座り方がある」
「そうなんですか」
「正座はしないんですね」
「そうだ。では正座を通じて自分自身を見詰めていこう」
こう話してだった。皆はそれを聞いてであった。早速僧院の中で座禅に入った。師匠や支援者達も一緒に大勢で座り禅に入る。
後ろには協力者の僧侶が回っている。その手には幅の広い薄い棒がある。それを持ったうえで彼等の前後を回っているのである。
皆それぞれ叩かれていく。肩を次々にだ。
「喝!」
(これも修業なんだ)
(もう何でもありね)
皆道着のまま心の中で呟く。今はそうした修業であった。
彼等の修業はまだまだ続く。高野山に来てしまったのはまさに運命であった。彼等にとっては実にいいものであった。あらゆる意味で。
第十三話 完
2010・4・14
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