第十三話 何故かこの地にその四
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「いやいや、間違えて来たがな」
「ああ、いい場所だな」
クエスターガイとレイは海を見ていた。二人は今鳥羽の水族館にいる。そこにいるスナメリを観ながら満足した顔でいるのである。
「このスナメリはいいな」
「見ていて心が和む」
「しかもだ」
今度はドウコクが言う。彼は水族館の中では流石に酒は飲んでいない。しっかりと海や川の動物達を見ることに専念している。
「このラッコだな」
「そうだね。ラッコもいいね」
薄皮もそれを見ている。ラッコは水槽の中を自由に泳ぎ回ったり水の上で仰向けになって貝を割っている。彼等でそれを見ているのである。
「見ていて心が和むよ」
「わしはバイカルアザラシがいいのう」
シタリはそれがいいという。
「丸くてのう。いや、いい場所じゃな」
「ほんまですなあ。戦いの前の憩いの一時ですわ」
アクマロも満足そうに頷いている。彼もまたラッコを見ている。
「シンケンジャー達は今は高野山にいるようですが」
「高野山って何処?」
今言ったのはフラビージョだった。彼女はカブトガニを見ている。その水槽の中のそれをだ。
「何処、それ」
「大阪の下に和歌山県という場所があってだな」
その彼女に説明するのは十蔵だった。
「そこにある山だ。山全体が寺になっている」
「ふうん、そういう場所なんだ」
「昔から修業の聖地でもある」
「忌々しい場所だぜ」
「全くよ」
オルグのヤバイバとツエツエにとってはそうであった。
「俺達は昔から坊さん達は大嫌いなんだよ」
「いつもこてんぱんにやっつけられてたんだから」
「全くだな」
「俺達もだ」
クエスター達も二人の言葉に頷いてきた。
「ボウケンシルバーの先祖もかつては僧侶だった」
「あの者達には随分と苦渋を飲まされたものだ」
「その通りですな」
アクマロも彼等の言葉に頷く。彼も僧侶達に対しては思うところがあるのであった。それで彼もまた言うのであった。そのことをだ。
「あそこに行くのはわれも正直言って勧められません」
「全くじゃ。この場所にしてもじゃ」
シタリはこの三重についても忌々しげに話す場所があった。
「伊勢神宮なんぞがあるからのう」
「うわ、聞きたくもねえっての」
「観光に行くのならともかく」
また言うヤバイバとツエツエであった。
「そういう場所で俺達に気付いた奴がいたらよ」
「面倒だし」
「そういえば今まで誰も全然気付いていなかったような」
「そうじゃな」
ヴァッフォとミゲラは今になってそのことに気付いたのであった。
「撮影だの何だのと思われてな」
「今まであれこれ言われたことはなかったな」
「それはいいことじゃが」
「ではこのまま観光としては寺や神社に入ってもいいか」
「いいと思いますよ」
まとめ
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