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スーパーヒーロー戦記
第29話 さらば!ウルトラマン
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共に、なのはは引き金を絞った。

「スターライトォォォ、ブレイカァァァァ!」

 ゼットンに向かいそれは放たれた。ディバインバスターより遥かに強大で遥かに凄まじい魔力砲がゼットン目掛けて放たれた。
 ゼットンはそれすらも吸収しようとした。
 だが、その一撃は吸収するには余りにも強すぎたのか、数万トンもの巨体を軽々と宙へと持ち上げていく。

「キャップ! か、怪獣が宙に浮かんでいきます!」
「凄まじい力だ。彼女にあんな力があったなんて…」

 皆が息を呑む。そして、遥か上空でゼットンは粉々に砕け散った。脅威は去った。
 だが、それに対しての代償は余りにも大きすぎた。

「や、やった……私……勝った……ん……」

 言葉を言い終わる前になのははその場に倒れてしまった。多大な魔力の消費が彼女の体に負担となって押し寄せてきたのだ。
 加えて魔力反射によるダメージも大きい。最悪のケースも想定されている。
 ウルトラマンは力尽き倒れ、なのはもまた、多大なる魔力の消費とダメージの為その場に倒れ動かなくなってしまった。今立っているのは科学特捜隊のメンバーだけだ。

「セブンは捕らえられ、ウルトラマンは倒れた…これから先、我々に待っているのは破滅だけなのか?」

 光の巨人の死は誰もが絶望していた。
 その時、遥か空から赤い球が舞い降りてきた。それはあの時初めてウルトラマンが地球に降り立った時のそれに良く似ていた。
 その赤い球はウルトラマンの真上で止まると、徐々にウルトラマンを光の球の中へと誘っていった。
 その光景を誰もが息を呑み見つめるだけであった。
 嫌、見る事しか出来なかったと言う方がこの場合は正しいだろう。




     ***




【ウルトラマン、目が覚めたか?】

 修復されたカラータイマーのお陰で目を覚ましたウルトラマン。其処には別のウルトラマンの姿があった。姿形はウルトラマンに良く似ている。
 だが、カラータイマーの回りに銀色の丸いボタンが張られておりその体つきも何処か逞しく見える。

【ゾ、ゾフィー…】
【ウルトラマン、君は幾多の戦いで深い傷を負っている。光の国へ帰るんだ】
【それは出来ない。私の体には一人の地球人と共にある。今私が帰れば彼は死んでしまう】

 ウルトラマンの中にはハヤタが居る。
 今ここでウルトラマンが帰ればハヤタは死んでしまう事になる。それはウルトラマンにとって望むべき事ではなかった。
 元はと言えば自分が彼を殺したにも等しい。
 それなのに我が身可愛さに彼を見殺しになど出来ない。

【君は充分地球の為に貢献した。その青年もきっと許してくれる】
【それでも私は帰れない。この美しい星は幾多の危機に晒されている。今私が帰ればこの星
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