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スーパーヒーロー戦記
第29話 さらば!ウルトラマン
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接近戦で挑むだけだ。
 ゼットンに近づき拳を叩き込んだ。
 だが、その拳もゼットンの硬い体の前に全く通じなかった。

【がはっ!】

 それどころかカウンターの如く放たれた平手打ちの前にアッサリとウルトラマンが吹き飛ばされてしまった。
 強い、こいつは明らかに強い。今まで戦ってきたどの怪獣よりも遥かに強いのだ。
 其処へ更に連続にとゼットンの鉄拳が数発叩き込まれた。その一発一発がウルトラマンにとっては驚異的であった。
 距離をあけた時、ウルトラマンのカラータイマーが既に赤く点滅しだしていた。こちらはかなり弱ってしまった。だが、ゼットンはまだ無傷も同然だ。恐ろしい怪獣だ。
 だが、負ける訳にはいかない。奴だけはこの手で必ず倒さねばならない。でなければ、何の為に彼と、ウルトラマンと一心同体となり今まで戦い続けてきたのか? 
 此処で負けたらそれら全てが無駄になってしまう。それかではさせる訳にはいかない。

【負ける訳にはいかない! お前だけには!】

 ウルトラマンが腕を十字に組みスペシウム光線を放つ。光線は真っ直ぐゼットンに向かい飛んで行く。
 今まで幾多の怪獣を葬って来た必殺の光線だ。
 これで倒せない相手など居る筈がない。
 しかし、その思いは脆くも崩れ去って行った。
 それが命中した途端その光線をゼットンは全て吸収してしまった。

【なっ、スペシウム光線が!】

 驚くウルトラマン。そして、吸収した光線をカウンターの如くカラータイマーに向って打ち返してきたのだ。

【がっ……しまっ……】

 カラータイマーの赤い点滅が消え去り、胸のランプが赤から黒へと変貌してしまった。
 其処でウルトラマンの、ハヤタの意識は途切れた。
 徐々にウルトラマンの瞳から光が消えていく。ゼットンの前でウルトラマンは棒立ちの状態になってしまった。
 全く微動だにしない。
 その光景を見ていたゼットンもそれ以上何かしようとはしなかった。

「そ、そんな…ハヤタさん!」

 なのはの目の前で、ウルトラマンがゆっくりと瞳の光を失い倒れてしまった。
 もうウルトラマンは立ち上がる事はない。
 二度と。
 ウルトラマンは負けてしまったのだ。圧倒的力の前に…
 倒れたウルトラマンを尻目にゼットンは更に科学特捜隊本部を破壊しようと近づき始めた。
 だが、まだ終わっていない。
 まだゼットンに挑む存在は居たのだ。

「これ以上、此処を壊させはしない!」

 ウルトラマンに代わりなのはがゼットンに挑む。ゼットンの背後に向かいアクセルシューターを何発も放った。
 桜色の魔弾が弧を描き幾度も放たれていく。
 だが、やはりそれもゼットンの分厚い結界の前に無残に防がれてしまう。只爆煙が広がるだけでゼットンには蚊ほ
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