GGO編
百二話 バトル
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「っとと!」
アサルトライフルの弾丸がブンブンッと音を立てて先程までリョウが居た場所を通り過ぎる。慌ててXM29を抱えながら木造の倉庫の影に飛び込むと、リョウはほぅっ、と息を一つ。
Bob本戦してから、まだ十分しか経過していないながら、リョウは既に戦闘状況に巻き込まれていた。
現在リョウが居るのは島の田園地帯。
すぐ近くには広々と広がる田園が有り、その横に十数棟の木造の建物が乱立する集落が有る。リョウが今戦闘をしているのはそんな集落の一角だった。
アサルトライフルの口から吐き出された弾丸の嵐がやみ、リョウは撃ち返すか反射的に考えるしかし……
ピンっ……
『あーちくしょ!』
なんだか昨日も聞いた音が聞こえ、即座にリョウは角から体を出す。既に相手は手に持った妙にメカニックなデザインの丸い物体……恐らく手榴弾の類だろう物を、上投げの構えだ。
さて……昨日までのリョウならば、この時点で慌てて逃げるが、もしくは敢えて突っ込むと言ったリスクの高い対応に出ただろう。しかして、これが“今日”のリョウであったりすると、そうもいかなくなる。
七回。
昨日までに、リョウがGGO(この世界)に置いて今までに行った戦闘の回数である。そしてこれだけの回数の戦闘をこなせば……流石にいくら慣れない銃の世界とて、リョウは完全に“慣れる”事が出来る。この世界のシステムにリョウは最早、完全に慣れた。そして“慣れて”しまえば……
『投げんな!!』
リョウが流れるような動作でXM29のスコープを覗き込み、即座に狙いを付ける。着弾予測円が即座に視界で収縮し、当てるべき場所だけを薄緑色の縁が包み込んだのを確認すると同時に、引き金を引き絞る。
発射された5.56x45mm弾は、グレネードを投げる寸前の腕に命中する。その勢いに彼の腕は後ろに向かって振られ、その勢いでグレネードを取りおとす。
「なんっ!?」
「おっと、」
取りおとしたグレネードに慌てたように彼は少し後ろに下がる。おそらく、おとしたグレネードが爆発する前に此方に向かって蹴るつもりだろう。が、その足を一度射撃をやめた後、もう一度引き金を引いたリョウの弾丸が容赦なく撃ち抜き、彼の動きが止まる。そして……
「BAN!」
カッ!!!と爆光が瞬き、その場を焼きつくすように円形の光が十数メートル離れた場所に居た彼を包んだかと思うと、光が収まり、そこには円形に切り取られ……というか焼き取られた路地と、彼が居た場所に少し濃いめに残る焼け焦げの後だけが有った。
「ヒュー、今のはあれか?プラズマグレネードって奴?おっかねー……」
驚いたように、しかし飄々とした様子でそう言うと、リョウは二ヤリと笑ってその場から歩きだす。この場合、さっさとここを立ち去った方が
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