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スーパーヒーロー戦記
第27話 異次元の死闘
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ダンが見つけた。それは広い草原の上で倒れているフェイトであった。

「フェイトちゃん!」

 即座にフェイトに近づき声を掛けるダン。その声を聞きフェイトは目を覚ます。

「あ、ダンさん」
「怪我はないかい?」
「はい…でも、此処は」

 フェイトは改めて自分の居る世界を見た。一面緑の草原と青空。それは何処にでもありそうな平和な世界そのものであった。だが、フェイトにだけは違って映っていた。

「懐かしい…また此処に来たんだ」
「懐かしい?」
「うん、私昔此処で良く母さんと花冠作ってたんですよ」

 懐かしむようにフェイトが呟く。それをダンは黙って聞いていた。妙な不信感と共に。

(前々から思っていた。彼女は他の子とは違う。上手くは分からないが、彼女は何処か違う気がする…まるで、別の生まれ方をしたかの様な…)

 ダンが推測をしていた時、目の前で楽しく笑う声が聞こえてきた。見ると其処に居たのは金髪の小さな少女であった。その少女が楽しそうに花冠を作っている。

「あれは…フェイトちゃん!?」
「あれ、小さい頃の私だ! でも、何で?」

 今此処に自分が居る。では、目の前に居る彼女は一体…

「あ、母さん!」

 目の前の小さな少女が母と呼ぶ。其処には一人の女性が居た。紫の長髪の美しい女性だ。

「彼女が君の母さんかい?」
「うん、私の母さん。きっと此処は過去なんだよ」

 フェイトが確信する。だが、此処が過去だとしても何故彼女の過去に? 疑問は尽きなかったが、とにかく今は目の前の親子を見守るしかなかった。

「はい、母さんにとっても似合うよ」
「うふっ、有難うね……アリシア」

 女性が少女の名を言う。だが、その名はフェイトではなく、アリシアと言っていた。

「アリシア? 違うよ母さん。私はフェイトだよ!」
「おかしい、此処は本当に彼女の過去なのか?」

 本当に此処はフェイトの過去なのだろうか? ならば何故名前が違うのか? ダンが疑問に思っていた時、空間が歪み別の空間へと変わる。
 それは、何処かの研究室であった。そして其処には先ほどの女性が白衣を着て立っていた。何かの実験をしている。
 そして、隣に居る同じように白衣を着た男性と何か揉めていた。

「危険です! これ以上ペースを早めたら最悪の事態に!」
「これ以上期間を伸ばせる訳がないだろう。研究費とて既に足が出ているんだ! 此処で完成させなければ私の権威に傷がつくんだぞ!」

 どうやら男の方は女性の上司のようだ。研究が行き詰まり、起死回生を掛けての研究を行っていたようだが、そこで問題が発生したようだ。女性はこの時期間を延ばすように進言したがそれを上司は一蹴し強引に実験を行った。そして、それが元で事故が起こっ
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